黄泉の山のハデシウム4

『奈落の蟒蛇』


火口の黄泉が渦を巻いて無くなっていく。


黄泉も魔剣の材料足りうるが、目当てのハデシウムはこのマグマ擬きの底に有る。




ゴプ…ガガガ………ガガガボガボガボ…ガボガボガボガボガボガボガボガボガボガボガボガボガボガボ。




黄泉は奈落の蛇に呑まれ、その奥底が露になった。










泉の底にあったのは塊。


黄泉を纏った岩の塊のような物だった。






高純度、高密度のハデシウム。


刀身の材料だった。






「これね………確かに。危険ね。」


障壁越しにその危険を感じた。










黄泉の山の由来は幾つか有る。


太古の生物の甲殻とも、地殻変動で地表に現れた岩盤とも、隕石のクレーターとも言われている。


そして恐らく、それらは全て真実だろう。




他に類を見ない腐食性を持ちつつ、強力な腐食耐性を同時に持つ。


それは今のこの世界にはない。


どころか、古代にも在ったか怪しい。








空の上、宙の更に彼方。


そんなところからこの世界に飛んできた、この世界の常識で語れない生き物の甲殻。


それが隕石としてこの地に降り、周囲に地殻変動を引き起こし、その力の片鱗を周囲に撒き、今のような形に成った。








そんなところだろう。


「最後の材料ゲット!あとは作るだけ♪」


そんな事はどうでも良いとばかりにハデシウムを消し、




パチン




彼女も消えた。
































今回の彼女の趣味で、禁忌領域が3つ消えた。


足を踏み入れたら死ぬような、地獄の如く危険な場所が。だ。




それは偉業と言えるだろう。


誰もが誉め称えるだろう。


万では足りぬ万雷の拍手喝采が賢者を讃えるだろう。




しかし、彼女はそれを誇らない。


誰にも言わない。


訊かれたら答えるが、自分からそれを誇示しない。




何故なら




「やっぱり趣味って楽しい!!」






これは世界を救う物語ではなく、ただの賢者の趣味の物語だから。









>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>読んで下さる皆様へ

いつも読んで頂き有り難う御座います。

単刀直入ですが、もし、良ければ感想やフォロー等のフィードバックを頂いたり、他作もご覧になって下さい。お願いします。

ここが良かった。ここは少しこうした方が良いなどの改善点等が有りましたら是非お教えください。お願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る