劇毒龍の毒袋3

 「文献によると………というか、毒の濃度的にこの辺りよね?」


 辺りを見回すが、劇毒龍の死体は見つからない。


 遂に土に還った可能性も考えた。しかし、そんな事は無い。


 もし死体が無くなっていたら毒も消えている筈。


 消えていない所を見ると、毒の濃度が最も高いこの辺に有る筈なのだ。












 探知魔法を使おうにも障壁の力が邪魔をして上手く発動しない。












 「オ゛オ゛オ゛オ゛―――――――――――――――――――――――」








 そんな時に聞こえたのは何かの声だった。


 声、というか、断末魔というか、気味の悪い声。


 しかし、それは妙なのだ。


 この場所に生き物はいない。


 居たとしても声を上げられない、物言わぬ死体になってしまう。


 自分以外に一体誰が?


 そんな疑問を持ちながら音のした方に駆けていった。


















 音の正体は解った。


 目の前にある奇妙な丘、山?だった。


 何が奇妙かと言えば、それが土で出来た丘や山ではないからだ。


 山肌が、茶色い様な、黒い様な、紫色の様な、奇妙な色をしていた。


 「オ゛オ゛オ゛オ゛―――――――――――――――――――――――」


 声はその丘から響いていた。


 「………これ、もしかして……………」


 『疾風ウインド』


 障壁越しでもこの程度なら何ら問題なく発動できる。


 ビュゥゥゥゥという音と共に、目の前の丘が渦を巻く風に飲み込まれた。


 丘の表面が風で巻き上げられていく。


 得体の知れない表面の何かが吹き飛び、正体が露わになった。










 「オ゛オ゛オ゛オ゛―――――――――――――――――――――――」










 そこには100年前に猛威を振るった霊廟の主、『劇毒龍』が傷一つ無く、生きているかの様にそこに居た。






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