噂の真偽
勿体ぶって題名に『真偽』なんて書いては有るが、
真実だ。
大賢者は魔剣を一本と言わずに創っている。
しかも
趣味で。
「さて………」
目の前の大鍋。どちらかと言えば、大浴場の風呂のような大きさの大鍋で、液体がボコボコと音を立てて煮えたぎっている。
一見すると、それは水銀の様な銀色の液体であった。が、その液体は水銀とは違って、銀色に若干の青色が混ざった銀色であった。
「ここからが正念場だ。」
緊張した口調で呟く。
大鍋に手をかざす。次の瞬間、鍋の中身が吹き始め…否、浮き上がり始めた。
手の動きに対応するように、大鍋一杯に入っていた、青色の混ざった銀色の液体が塊になった状態で、表面に波紋を起こしながら浮かび上がっていく。
「……ぐぅぅぅぅっ」
額に汗が浮かび、かざしている手が小刻みに震える。
魔法で物を浮かび上がらせる際。大きいほど、重いほど、その難易度は上がる。
特大の鍋一杯の金属。自分の体の大きさとは比べるべくも無い大きさ。
その重さはどんなものだろうか?
『力魔法:ブラックホールゾーン』
液体金属を浮かせた状態で更に魔法を掛ける。
溶解した金属の塊の表面に赤い光の線が走り、幾何学模様が形を成していく。
すると、巨大な液体金属の塊が小さくなっていった。
力魔法:ブラックホールゾーン
一定空間内に超重力。つまり。凄まじい圧力を掛ける魔法である。
液体金属はだんだん小さくなり、と言っても元の大きさが大きさなのでそれでも大きいのだが、何かの形を成していった。
刀身があり
鍔があり
柄がある
液体が小さくなり、表面の波紋が消え、そして出来たのは柄から刀身迄一塊の金属で出来た刀だった。
「ふー…………出来た。」
出来た刀を地面に静かに降ろし、息を吐く。
その額には玉のような汗が沢山浮かんでいた。
一体、大賢者はどのような事をしていたのだろうか?
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>読んで下さる皆様へ
いつも読んで頂き有り難う御座います。
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ここが良かった。ここは少しこうした方が良いなどの改善点等が有りましたら是非お教えください。お願いします。
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