第十一章 至垂徳柳(しだれとくゆう)

前章のあらすじ

おおとりせいは悪夢に悩んでいた。

悪夢であり現実。

十年前に母と姉が父に殺されたことを、時折悪夢として見てしまうのだ。


様子のおかしいことに幼なじみの親友であるなるは気付き、あれこれ構うのだがしつこさに正香が辟易し、二人は大喧嘩してしまう。


成葉から悩みを聞いたおうは、正香が魔法で記憶を操作した痕跡のあることに気付き、一人調査を開始する。


アサキたちは、喧嘩して落ち込んでいる成葉を励まし、仲直りをさせるためにあれこれと一緒に考える。大した案が出たわけではなかったが、成葉はアサキたちから元気を貰い、正香に謝るため自宅へ向かうことに。


調査していた応芽は、正香にかけられた魔法の質から、戻させてはいけない記憶が封じられているものと判断。

その魔法が切れかかっているからこその悪夢と判断。

一人、正香の自宅へと向かう。


応芽の心配も虚しく、正香の記憶は戻ってしまう。


父を殺した真犯人は自分であることを、思い出してしまう。

狂って家族を襲う父を、まだ幼い正香は刺し殺したのだ。

だがそのあとに、殺された母が不倫をしていたことを知ってしまう。

そのことに父は狂っていたのだ。

母が不倫をしなければ、自分が父を殺すことはなかったのだ。


その発狂しそうな絶望に狂う前に無意識が自分へ魔法をかけ、記憶を封じていた。その記憶が、蘇ってしまったのである。


大鳥家前、謝りにやってきた成葉の前で、正香は絶望のあまりヴァイスタになってしまう。

そして、正香を殺し、食べてしまう。


遅れて応芽が駆けつけるが、すべては遅かった。


親友を殺すことが出来ないカズミたちに代わって、応芽が変身し、ヴァイスタとなった正香を攻撃、昇天させるのだった。

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