第27話 ポンコツ役者見参!
おはようございます。
いやぁ、操られないって良いね!
お日様最高!
ビバ男の身体!!
翌朝…流石に、レイニーさんが戻って来る事は無かった。
計画が着実に進行している、はずだ。
一応、昨日の夜は、状態異常回復の練習をしながら休んだんだけど、本当に結構色んな所から魔法を出せるようになったよ。
ふふふふー。
そんな訳で、今朝も一般のメイドさん達を辻回復の餌食にしつつ、朝食を取る。
朝食は、昨日と同様、ラフィーラ姫とリリィレナさんが一緒でした。
この二人は朝が早いんだね。
そして、ラフィーラ姫と一緒に執務室で本日の嘆願書を整理している時に、ミカティアさんが起きて来た。
「『あら、2人とも、今日も早いのね。』」
「『おお、ミカティア、遅かったのぅ?…昨日はそんなに盛んだったのか?』」
「『ふふふ…もぅ、後でコー君に文句を言っておかなくちゃ!』」
「『ははは、そうじゃな、これから人数も増えるのじゃ、
この程度でスタミナを切らしておっては困るというものよ。』」
「『あら!…ふふふ、本当、そうよね。』」
ハイハイ。
「ところで、ミカティアお姉さま、こちら、本日の嘆願書です。」
さっさと通常業務を進めよう。
やはり、昨日と同様、公共設備の補修希望が数件。
後は、面会希望が複数。
「『あら…ナーノちゃん、昨日言っていた使役獣の話だけど、面会したいって言う商人さんが居るみたいよ?』」
「本当ですか?楽しみです!」
ま、実は、さっき自分でもざっと目を通してましたけどね。
なので、その通知を一番上に乗せておいたんですよ。
ふふふふふー。
早くオズヌさんのもふもふの顔が見たいよ…!
あ、ついでにエルもね。
しかし、昨日の今日だろ?
流石!仕事が早いね!!
「『後は、お祝いのための料理人さんの面会と…
まぁ輿入れに向けてのパーティーグッズ斡旋?
ふふふ…ラブルー商会さんは抜け目がないわね。』」
他にも、外区や中区の地区長さんらしき方の面会希望も上の方に乗せておいたんだけどなぁ…
スルーされておる…
「あの、ミカティアお姉さま?」
「『なぁに?ナーノちゃん?』」
「料理人さんは、早めに雇って、事前にその腕前を見ておいた方が良いんじゃないでしょうか?
いくら、お兄ちゃんの味には叶わないとは言え、ある程度は腕が無いと困りますよね?」
「『うむ。それもそうじゃな。
ミカティア、問題が無ければ希望者全員雇ってしまえば良いのではないか?
ワシらが先に目を通しておいた感じじゃと、人数もさほど多くないしのぅ。』」
「『…そうね。このくらいの人数なら、費用面でも問題ないわ、そうしましょう。』」
料理人さんを雇う事はあっさり決まる。
確かレイニーさんが、料理人を早めに雇っておいて欲しい、って言ってたもんな。
こちらの根回しはこれでOKかな?
とりあえず、午後までは普通に事務処理を進め…
ヤツと面会する必要の無さそうな所はラフィーラ姫とミカティアさんが捌いてしまった。
地区長達、減税のお願いに対しては、昨日の『働けるお薬』を押し付け、
料理人は、早速今日の夕食からヤツのメニューの他にも伝統料理を作って貰うように雇い入れ、
補修工事の依頼には過労死寸前の公共設備修理団を派遣する。
結局、ヤツと面会が必要なのは使役獣の件と例のラブルー商会くらいしか残っていない。
そこまで業務を進め、お昼ご飯も終わった頃、ようやくあの野郎も起きてきやがりましたよ。
「ふぁ~…えーと、今日の面会は誰からだっけ?」
「『昨日の使役獣の話を聞いて、是非購入して欲しいって言う商人さんが来ているの。
かなり大型の獣を連れているみたいよ?』」
「へー?そうなんだ、その獣、ナーノと気が合うと良いね。」
「はいっ!!」
メイドさんに案内されて、商人さん…の、恰好をしたレイニーさんともふもふ形態のオズヌさん、そして、立派な狼姿のエルが謁見室に入って来る。
…謁見室は扉が大きくて良かったなぁ…
おおおおお…
きちんとこっちの案に乗ってくれたみたいだ!
何か、オズヌさんもエルの奴も毛並みを整えているのか、いつもよりふわふわ、もふもふしているように見える。
しかも、オズヌさんに至っては、羽毛になにやら銀粉でも振っているのかな?
キラキラして奇麗に可愛くなってる!
これなら、リリィレナさんに見られてもきっとあの時の鳥だと気づかれないと思う。
あれっ?
オズヌさんとエルの奴こっち見て固まってる。
どうしたんだろう?
…ん、あ、あぁ…そうか、この格好ね。
ええい、流せ、流せ!
スルーしろ、スルー!
つーか、レイニーさん、その辺まで説明しておいてくださいよ!
しかし、当のレイニーさんは…
そんな余裕はさらさら無いのか、手にした扇をウロウロと弄びながら、
ちょっと…いや、かなり緊張した様子で礼の形を取る。
あー…まぁ、こういうの苦手って言ってたもんな。
あ、歩くとき、右足と右手一緒に出てる。
…顔もだいぶ赤いような気がするんだけど…
だ、大丈夫かな…
「おっ、…え、おっ、お初におめもじつかまつりマス!お代官様ッ!」
あれ?!
レイニーさん…だよな??
しかし、レイニー(?)さんの発した声はまるで鈴でも転がしたかのような、甘く、愛らしい女声。
レイニーさんって…声はもう少し男性的だったと思うんだけど?
小鳥に変身しすぎて喉悪くしちゃったの?!
それとも緊張で声ひっくり返っちゃったの!?
しかも、今はふわっとしたシルエットの衣装を身に纏っているせいで…
成人男性だと知っている僕でも、正直、男か女か判別がつかない。
いや、むしろ初見がこれなら、完全に女性だ。
「ご、ご…ごき、ごき、ごき…げんようございマス!」
何か挨拶の言葉おかしいんだけど!?
落ち着け!
でも、やっぱり、声は可愛いまんまだ。
「ふふ…いや、そんなに緊張しなくてもいいよ。」
あらら…コリカンの奴にまで言われちゃってるよ…
オズヌさんもエルもひやひやしてるんだろうなぁ。
もふもふモードだから表情が分かりづらいけど、レイニーさんが発言するたびに、ソワソワと体を左右に揺らしている。
「あ、その、えっと…使役獣を、あの、お探しと伺ってまいりマシた!」
レイニーさんは、ガチガチに固まったまま、かくん、と音がしそうな様子で改めて礼の形を取る。
「へぇ…いいね…。」
ヤツがネットリと微笑み、舌なめずりをした。
何か、明らかにヤツからロックオンされてませんか!?
と、思った瞬間、ヤツからピンク色のもやっとした魔力の塊が打ち出される。
あれは!?
まさか、コイツ…レイニーさんに【ハーレム】の状態異常をかける気か!
オズヌさんとエルも多分、その異様な魔力を感じたに違いない。
一瞬だけ、ふわっと羽毛と尻尾がそれぞれ膨らんだし。
しかし、当のレイニーさんは、その魔力を浴びても全く変わった様子は見られない。
う、うん。
大丈夫だよな?
【ハーレム】の異常は男性には効かないのは、僕が今【一般市民】である事からも証明されている。
だが、次にレイニーさんの口から出た言葉は衝撃だった。
「しかし、使役獣をお売りする事はできないデスね。」
えええええ!?
ちょ、話が違いませんか!?
レイニーさん!
「わぅ!?」「キィッ!?」
オズヌさんとエルも驚いた様子でレイニーさんを注目してるんだけど!?
「な、何でですか?!」
その様子に思わず僕も口走ってしまった。
「ナーノ、落ち着いて…うん、それはどうしてかな?」
ヤツが余裕を持ってレイニーさんに問いかける。
レイニーさんは、ビクッと身体を震わせた。
そして、少し小首を傾げ、手にしていた扇で口元を隠し…
照れている…ように見せたいのかな?
緊張で頬を染めながら瞳を彷徨わせる様子は…
………完全にセリフ間違えちゃって挙動不審になってるように見えるんだけど…?
でも、普段の状態を知らない人からしたら、多分、ごまかせる程度の大根役者の枠内には収まってると思う!
大丈夫!
が、がんばれ!!
「え…えっと、あの…それは…
フォ、フォルスでも名声の高いお代官様から、使役獣の料金をいただく訳には参りません。
この子達さえ良ければ、このままお代官様の元にお仕えできれば…と思いマス。」
あ…タダにするって事か?
レイニーさんはそれだけ一気に言うと、ロボットみたい、かきん、ぽきん、と平伏する。
「あはは…外部の商人さんにそんな風に言ってもらえるなんて光栄だね。
ナーノ、どうかな?この子達とは仲良くやれそうかい?」
「はい!…えーと、お名前は何と言えばいいんですか?」
「は、はい、えっと、こちらは『モワキウイ族』のオズヌさん。
こちらは『ギンモフオオカミ族』のエル君デス。」
かなり元のまんまですな!
『モフキウイ族』が『モ
これは、エルの種族名もかなり雑に付けられた気がする。
良いのか?
そんなストレートな種族名と名前で…
あー…でも、レイニーさん、明らかにいっぱいいっぱいだしなぁ…
下手に違う名前つけちゃって、途中から間違えて呼ばれるよりマシか。
レイニーさんの言葉を受け、大人しく頷くオズヌさんと尻尾をばっふばっふと振るエル。
一応、了承しているっぽい。
「これから、僕の『お供』として、よろしくね?」
「キーィ!」
「わふっ!」
恐らく、了承の意を伝えてくれる二人。
【ハーレム】の状態異常が剥がれている今は【獣使い】の祝福も同時に剥がれちゃってるみたいで、二人の言葉は人間の言葉では聞こえないけど、まぁ…大丈夫でしょう。
誰も居なければ、普通に会話も出来るし。
「どうだい?」
「はい、二人とも僕のお供になって下さるそうです!」
「よかったね、ナーノ。」
「はい、ありがとう!お兄ちゃん!!」
ほっと一息。
よし、これで一応、オズヌさんとエル、ゲットだぜ!
「…ところで、商人さん?大切な商品をプレゼントしちゃって……本当の狙いは何かな?」
「ひぅっ!?…えっと…狙い、デスか?」
ヤツがレイニーさんを確かめるように問いかける。
ビクッと明らかにその言葉に驚いた様子のレイニーさん。
「だって、大切な商品を…それも、こんなに立派な使役獣…捕えるのだって大変だろう?」
「うっ…そ、それは…デスね…」
だらだらと冷や汗を流し始めるレイニーさん。
何か言おうと口を閉じたり開いたりしているものの、声としては「あ」とか「え」とか、そんな音しか漏れて来ない。
ご本人も苦手とは言ってたけど…
マジのガチでこういう場面になるとポンコツなのね…。
手にしている扇子と足元がぷるぷると小刻みに震えている。
「キーィ、キーィ…」
オズヌさんが心配そうに声をかける。
だが、コリカンの野郎があんな事を言うって事は、多分…レイニーさんが気になってるんだと思う。
あの【ハーレム】の異常を付けるための魔力放出もしていたもんね。
…要は、レイニーさんを帰らせないようにすりゃいいんだろ?
よし、ここは僕の口八丁で頑張って丸め込んでみせようじゃないか!!
「あー…お兄ちゃん、あのね、この子が今…言ってたんだけど…
この人たち、国を追われてここまで逃げて来たんだって。」
「え「ねッ!!そうですよね。…レイニーさん?」
僕はレイニーさんの驚きをかき消すように、あえて、まだ自己紹介をしていないはずのその名を呼ぶ。
「へぇ?君、レイニーって名前なのかな?」
「ピッ!?…は、はい…!」
小鳥の声が出ちゃってるよ、しっかりして!
「で、国を追われるってどういう事かな?」
「ね、オズヌさん、エル君、本当の事情を話して?
お兄ちゃんなら悪くはしないよ?」
そう言いながら二人のもふもふの間に近寄って行く僕。
そして、ごくごく小声で
「なんとかフォローしますから、とりあえず鳴いてください!」と呟くと、それが無事に聞こえたらしい。
当初、困惑した様子だったオズヌさんとエルだが、二人とも小さく頷くと、直ぐに大きく頷き、口々に声をあげる。
「…がう…わぅ、わうっ。」
「キーィ、キーィ!」
流石動物モード。
人間モードより、聴覚が優れているっぽいね。
「…ふむふむ~、なるほどー。なるほどー。」
レイニーさんは僕達のフォローに泣きそうな様子で、こちらを見つめている。
もはや本人ではどうしようもないのか、ぜひぜひ、細かく肩で呼吸をしていた。
緊張で過呼吸寸前みたいに見えるんですけど!?
…おい、マジで大丈夫か…?
ゆっくり息して!!
ひっ、ひっ、ふー!!
「東の方のドコカノ王国で、大臣の不正を見てしまった事が原因で追われていたみたい。
それで、この子達をタダでお兄ちゃんにお仕えさせる代わりに、レイニーさんを匿って欲しいみたいだよ。
…ね、お兄ちゃん!僕みたいに、レイニーさんもここに置いてあげて?」
「『まぁ、そんな事情があったのね。コー君。』」
「『気の毒にのぅ、ワシらは歓迎するぞ?』」
「うん、それなら、そうおっしゃって下さればよかったのに。
歓迎しますよ、レイニー。」
男がニタリ、と嬉しそうな笑みを浮かべる。
ぷしゅ~…と、余程緊張していたのか、それを聞いてその場にへたり込むレイニーさん。
「は、はひ、…あ、ありがとうございマス…」
「キィ、キー、キィ。」
頻りに僕の腕をつつくオズヌさん。
あれ?何か言いたいのかな…?
レイニーさん…を指し示しているような気がするんだけど?
さっさと退席させろって事かな?
「ね、お兄ちゃん…
レイニーさん、ちょっと疲れてるみたいだし、この子達とお部屋に案内してあげても良い?」
「うん、良いよ。空き部屋はラフィーラから聞いてるよね?」
「うん。」
「『お夕ご飯には、また迎えを呼ぶわ。』」
「はーい。」
そんな訳で、僕達一行は、へたり込むレイニーさんを引きずるように、謁見室から移動したのであった。
「おい、レイニー!
貴様ァ、折角俺様が作ってやった台本をほとんどすっ飛ばしやがって!!
あれじゃ怪しまれるに決まってるだろ!!」
この城の貴賓室の一つ…
一応、僕の部屋とされている部屋の隣の空き部屋だったところに3人を案内するなり、エルの奴が吠えた。
二人とも、もふもふしてるから体積が大きく見えるけど、普通の扉も通れるんですね。
通る時、にゅるりと、可愛かった事は内緒だ。
「ごっ、ごめん…なさいデス…」
「エル、声、声っ!デカイ、デカイ!!」
「おい、坊主、落ち着け。」
「…む…わ、わかってる!」
「はぁ…はぁ…き、緊張…し…マシた…。」
部屋に入るなり、完全にへっちょりとへたり込むレイニーさん。
「大丈夫ですか?」
「最初は代官をもっと褒めておだてて!いい気分にさせて、
それから『そのような素晴らしいお考えをお持ちだとは感服いたしました』とか
『その崇高な使命の為に是非ともこの子達を使ってあげてください』とか
何とか言って、『ヤツの能力に惚れて、販売じゃなくて贈与』って形に自然に持って行く筋書きだと…
何度も、何度も、ぬぁんども、練習しただろうが!!」
「そ、そうなんデスけど…
やっぱり、ああ言う、人前に引きずり出されて注目されるのはダメなんデス…」
あ、マジで涙目。
「あー…ナガノ、悪いけど、レイニーに回復魔法かけてやってくれないか?」
「構いませんけど、どうされたんですか?」
「いや…俗に言う知恵熱と言うヤツで…」
「ふぁっ!?」
実はあの後、大急ぎでまた外区まで飛行し、
さらに、今日代官との面会が出来るように書類を整え、
それを城に届け、それっぽい衣装を手配し、小道具を準備し、さらに演技台本を覚え、
トラウマ級に苦手な演技をエルやオズヌさんに指導してもらい…etc
結局、疲労と緊張で今朝から知恵熱が下がらないらしい。
あー…どおりで、何か顔も赤いし、呼吸もおかしいし、台詞飛んじゃったりしたのはそれも原因かぁ…
「は~い、病気治癒と疲労回復~」
折角なので、僕は、両ワキの下から出した回復魔法をレイニーさんにかけてあげた。
「うわっ…何だそれ?」
エルの奴が目を丸くしている。
ふふふふふ、凄いじゃろ?凄いじゃろ?
これが【ハーレム】として操られていたお陰で身につけた技能なのだよ!!
しかも、2か所から同時に魔法を放出する事もできるようになっているんだぜ!
「どうだー!回復魔法をワキからも出せるようになったよ!凄かろ?」
「何故そこから出そうと思った!?」
「あと、お尻と脳天と指先と目と鼻の孔と足の裏からも出せるよ。
…チートだろ?」
「いらんわ!そんなチート!!
つーか、貴様、チートの方向性を間違えていないか!?」
しかし、どこから出ても回復魔法は回復魔法。
床にへたり込んで辛そうだったレイニーさんの顔色が徐々に普段の色に戻って来る。
「ふぅ…ありがとうございマス、だいぶ楽になりマシた。」
「だけど、レイニーさん、その声、どうされたんですか?」
「へ?あぁ、これデスか?」
話を聞いたところ、どうやらレイニーさん…
女装しているらしいです。
女装、と言っても、服については男の人でも女の人でもおかしくないような恰好だ。
これは、旅をするような商人に共通する衣装らしく下手に女性的なドレスを着用していたら、逆に怪しいから…らしい。
そのため、主に「声」と「香り」が女性的になるように装っているのだとか。
…まぁ、この人…顔立ちとか体つきは素でかなり女性寄りだもんな…
喉ぼとけとか全然目立たないし、割となで肩だし、線は細いし、頭髪以外の体毛も薄いし…
確かに、この外見でレイニーさんの声が高かったら、女性と判断している。
「…声はまぁ、分かるんですけど…匂い?」
そんなに違うかなぁ??
……くんか、くんか。
なるほど、わからん。
特段…女性のニオイって感じはしないんだけど?
柔軟剤とか化粧品みたいなフローラルな香りを纏っている訳でも無いし。
まぁ、でも、言われると、雰囲気が甘やかなよーな…?
「ナガノはあまり分からないかもしれないが、亜人には、見た目より匂いを重視する種族も居るからな?」
「へー?」
オズヌさんもどちらかと言うと、見た目よりも匂い重視派らしい。
そのため、今のレイニーさんはとても女性的な香りなんだとか。
「どっちもエリシエリ様のお薬デス。
効果は半日くらいデスけど…
面会前に飲んだばかりなので、しばらくはこの声デスね。」
「でも、どうして女装なんてしてるんですか?」
「フン…臨時で今日面会するなら、女以外は受け付けていない、と言われたのさ。」
「な…なるほどぉ…」
それで女装かぁ…お疲れ様です。
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