水車

水車を見ている

遠くから見ている


しゃばしゃばと音がしている

少しだけ耳に届いてくる


手に持つ絵筆を川に溶かす

いろいろの色が流れる


赤を流す、青を流す、緑を流す


赤色が音を激しくする

青色が音を静かにする

緑が溶けて木霊にする


しばらくの時間が経つと

子供たちが集まってきて

水車の流れに飛沫を上げる


きゃっきゃと跳ねる子らの声が

水車の回って出す音よりも

私の耳に素早く届く


私はいなくなっていた

湿った絵筆と筆洗いとが

川辺の芝生に転がっていた

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