羽を捥がれた蝶の集めた苦い蜜の一滴

紙風船

第一編

深い深い海の底。

僕の周りには小さな星たちが輝いている。

水の流れは、小さな星たちを押し流す。

僕はまた、独りぼっちになる。




青い青い海の底。

僕の周りには小さな星たちがゆらめいている。

水の流れは、小さな星たちを押し流す。

僕はまた、独りぼっちになる。




冷たい冷たい海の底。

僕の周りには小さな星たちが凍えている。

水の流れは、小さな星たちを押し流す。

僕はまた、独りぼっちになる。




暗い暗い海の底。

僕の周りには小さな星たちが彷徨っている。

水の流れは、小さな星たちを押し流す。

僕はまた、独りぼっちになる。




広い広い海の底。

僕の周りには小さな星たちが瞬いている。

水の流れは、小さな星たちを押し流す。

僕はまた、独りぼっちになる。




蒼い蒼い海の底。

水底から見える景色はとても綺麗で。

水の流れは、僕をつれて流れていく。


あぁ、僕は、何かを残して逝くことなどできやしないのだ。

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