119話 狙撃銃
「訓練場って城の中に一つだけだよな?」
「ああ。端にあるのが私の城の訓練場だ」
「じゃあ先に行ってるぞ」
そして俺は転移を使って一瞬でそこへと移動するのであった。
「ギルバートの話が事実ならばここになるんだが……結構広いな」
俺は転移でこの訓練場へとやって来た。
この場所は城を案内された時にチラッと見えた場所だ。
……遠くから眺めるのと、実際にこうしてその場に立つのは違うものだなと思い知らされた。
城の端っこ辺りだと言うのに、体育館が丸々一個入るぐらいのスペースがある。
やはり王族の財力は計り知れないな……。
「それにしても……」
暇だ!
おっと、ついストレスの様なものが爆発してその場で叫びかけたぜ。
まあギリギリ心の中に留めたんだけどな。
だが暇なことに変わりはない。
「……じゃあ射撃訓練でもしようかね」
俺は訓練場の端へ移動して、あるモノで作られた的を用意する。
そして俺は反対側へと移動する。
「デッテレ~!狙撃銃~!」
……なんだか言ってて虚しくなってきたんだが?
この狙撃銃はお察しの人もいるかもしれないが、ガルバドメスやハツジオンを狙撃銃バージョンにしただけだ。
だから使っている素材は同じで効果も全く同じだ。
え?この銃の元ネタ?そんなの知るか!俺はガンオタじゃねぇんだぞ!
でもやりたい様にやったらなんか出来たわ。
これこそご都合主義。
「じゃあやるか……」
弾丸を装填する。
これは一発一発手動で行うボルトアクションではなく、弾丸の装填が自動で行われるオートマチックだ。
こういう風になったことはとても感謝している。だって一々装填するの面倒くさいんだもん。
そしてスコープはない。
そんなもの、千里眼があれば十分だ!そう思った俺はスコープは作成しなかった。
俺は的に照準を合わせる。
そして発砲。
パンッ!と乾いた音とともに魔弾が超スピードで飛んでいき、的のちょうど中央を捉えた。
「よし!」
的と魔弾がぶつかるとガキンッ!という音がして、的は貫通しなくて済んだ。
そう!的に使われていたあるモノとはガルバドメスと同じミスリル100%の的だった。
流石にヒヒイロカネとか魔鋼鉄とか、如何にも珍しいですというものをここで使うのは気が引けたからな。
「これなら実戦でも問題なく起用できそうだな」
これにサイレントとか取り付けたら完全に暗殺銃に成り果てるわ。
魔弾だからあんまり空気抵抗もかからないし、今度どこまで飛ばせるのか実験してみようかな?
「……そろそろ来そうだな」
何か言われたら面倒くさいと感じた俺はミスリル的を急いでしまった。そして銃も。
そして俺は今来ましたよ、と言った風に訓練場の中央に座っておくのだった。
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