25話 ガルバドメス作製
ボスを討伐して奥の階段を降りると11階層と同じようにそこはセーフティゾーンになっていた。
10階層ごとにセーフティゾーンが設けられているのか?それだったら俺たちとしたらとても嬉しいんだけどな。
「今日はここで休むか」
「そうだね!疲れた……」
まあ、一気に最高到達階層の三分の一ぐらいまで行ったんだからな。疲れていてもおかしくはない。
「じゃあ適当に食材を出しておくから料理してくれる?」
「分かった!」
本当に料理できる人っていいよな……。俺は出来なさすぎて、親から料理禁止令が出されたほどだからな……。
手先器用なのに料理できないの?ってよく言われるけど、俺から言わしてみればそんなの全く関係ないと思う。
「何か料理に使うのに用意してほしいものはあるか?」
「うーん……、それなら薪とフライパンってあるの?」
「あるよ」
そう言って俺は昼使ったのと同じ薪とフライパンと、ついでにまな板も出しておいた。
「ご主人様、これは?」
「これはまな板って言ってな。切るときに下に引いてくれ」
「分かった、ありがとう!」
「じゃちょっと運動してくるからどのくらいで出来る?」
「1時間ぐらいかな?多分その時ぐらいにはできてると思うよ!」
「ありがとう。じゃあその時ぐらいには戻ってくるわ」
ついでにテリアにかけたのと同じ風魔法 をエルにもかけておく。
よし、下見も兼ねて下層に運動しに行くか。
もっといろいろな魔法を使いたいしな。
俺はそう思い、軽い気持ちで下層に行くのだった。
22階層は平原だった。
セーフティゾーンでは上層と同じようにいかにもダンジョンっぽい雰囲気なんだけど、一つ降りるだけでだいぶ変わってくる。
ていうか草原って……。本当に10代の層と入れ替えたら?密林の次に草原なんてなかなかないと思うけど?
まあ、軽い運動では草原は俺にとって最適なんだけど。
俺は散歩していると、
「「「ブモーーーーーーーー!!」」」
熊A、B、Cが場違いな草原に姿を現した。
ちなみにこの熊はボス熊と変わっていない。
「だからうるせぇって言ってんだろ!!!」
熊どもの雄叫び?にイラついた俺は思いっきり地面を殴った。
すると、ボコンッ!!という音とともに半径200メートルぐらいの広さとさ深さ50メートルぐらいのクレーターが出来ていた。
これだけでは熊は倒せなかったが、体勢を崩した熊たちは俺の方に転がり込んできた。
「おりゃああああああああ!!!」
俺は二本の剣を左右に持ち、腕を伸ばして思いっきり回った。
とてもシンプルな力技だ。
だが、侮ることなかれ。
これは超人的なステータスな俺が、両方ともの剣に風の魔法を付与している。
だからこの技を使うと、人工的に竜巻が発生するのだ!
熊どもは俺の技?をくらい遠くの方に吹っ飛んだ。
……これのデメリットは飛ばした魔物の位置を特定しないと、素材を回収出来ないところだな。
それにしても、俺の技って何か無駄が多いんだよな。力が強すぎて周回的じゃない。
というわけで何か別のものを作ろうと思うんだけど、何がいいだろう?
……一回リボルバーでも作ってみるか?
なら早いに越したことはないな。
(6つのシリンダーが付いているリボルバー。弾は魔力を込めて放つやつを作りたい)
〈スキル検索開始……合致スキル3件。表示します〉
そう言われて出てきたスキルは〈創造〉と〈魔弾作製〉、〈加工〉のスキルだった。
お、新しいスキルが出たな。
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<魔弾作製>
魔力で弾を作ることができる。魔力操作でも作製可能だが、こっちの方が威力、スピード、貫通力が2倍以上になる。
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まさに異世界人が持ってたら強なスキルだよな。
よし、早速作るか!
えーっと?作製方法は……、また新しい鉱石の名前が出てきたな。
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<ミスリル鉱石>
魔力と相性が良く、世界で五番目に硬い金属とされている。
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だった。やっぱり魔力で作られた弾を使うからミスリル使う方が良いのか?
まあ、検索ツールがそう言ってるんだから間違いないだろう。
じゃあ作るか。飯までそんなに時間がないことだし。
創造でミスリルを作り出す。
……うおっ!さすが世界で五番目に硬い金属。結構魔力くったぞ。
お椀ぐらいのミスリルが出来た後は魔法の弾の作製だ。
「これどうやってやるんだ?」
弾の作製方法が分からん。
というわけで説明書を見てみると、スキルを唱えて好きな形をイメージして器を作る。その器の中に魔力を注ぎ込んだら弾の完成なのだそうだ。
「じゃあ、試してみるか」
俺は普通のリボルバーの弾をイメージした。
すると、頭の中にイメージが固定された。なるほど。これが器ってやつなんだな。
そこに魔力を注ぎ込むイメージをしてやると、炎属性だったら赤色が、水属性だったら青色など、各属性の色が染まっていった。
全て色に染まるとこれで完成なのだそうだ。
俺は試しに全属性(炎属性、水属性、風属性、土属性、光属性、闇属性)の魔弾を作ってみた。
「おおー!」
作った魔弾は各属性の輝きを放っており、宝石並みに綺麗だった。
これで2段階目だな。
最後は銃身の作製だな。
……俺はリボルバーとか、そこまで詳しくないから、完全なものはできないだろう。
けど、一般常識ほどには知ってるので上手くいけるかもしれない。
俺はミスリルを持って加工を使い、俺が知っているリボルバーの形をイメージする。
シリンダーを取り付けたり、ライフリングを彫ったりするなどいろんなことに気をつけた。
そして完成したのがこれだ!
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<王銃 ガルバドメス>
属性弾を扱うことができる武器。狙うだけで必中効果があり、発射される弾の威力も市販の銃より5倍はある。再装填の方法は自分でやるか指定されているところから勝手に取り出すかがある。
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いや、必中効果とかエグくね?ちゃんと銃口を敵に向けといたらあとは引き金を引くだけで当たるんだって。さすがチート。
しかも指定していたら自動リロードって……。
……っていうかこの世界って銃っていう概念があったんだな。
普通に使っていないものだと思ってた。
「試し打ちするか!」
今の俺の気分を一言で表すと、小さな子供に戻った気分だ。
こんなに興奮したのは久しぶりかもしれない。
指定場所を俺のアイテムボックスにする。
すると、カチャリという音がした。
リボルバーのシリンダーを見てみると、その中に赤、青、緑、茶、黄、紫の計6発の銃弾が入っていた。
「よし!」
これで装填の問題もなくなる。弾さえあれば連続で打ち放題だな。
じゃあ試し打ちを始めよう。
まずは火の弾から。
パンッ!という乾いた発砲音とともに、弾が岩を貫通し、通った軌跡が炎に包まれた。
次は水。
水は炎みたいなことはなく、貫通力が炎よりもだいぶ強くなっていた。
次は風。
風は弾が飛ぶ速度が炎や水よりも断然早く、威力もこっちの方が高かった。
次は土。
土は地面に打ち込むと、そこらへんの土を操ることができた。威力などは普通。
次は光。
光は輝きながら飛んでいた。威力が他より強いかな?ちょっとしたネタ武器かも。
最後は闇。
闇は俺の目には見えることがなく飛んで行った。全体的に抑えめの代わりに見えないのが強い。
これが属性ごとの感想かな。
まあ、一番使いそうなのは炎、水、風ぐらいかな。
「じゃあ、実験も終わったことだし戻るとするか」
こうして俺は新たな武器ガルバドメスを作ったのだった。
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