15話 反省からの魔剣作製
森から帰ってきた俺たちは、カーマが疲れたから依頼完了の報告は明日にしないか?と言ってきた。もちろん俺はOKした。
そして俺は特に何もすることが無かったから城に戻ることにした。
城の門番のところに来るとすぐさま俺が勇者であることが分かっていて、門を開けてもらった。
……顔パスってマジで便利なんだな。
昼飯も食べたし、特に今日はすることないなー。もう寝ようかな。
そう考えているとバッタリとルーナに出会った。
「あ、ご主人様。もう帰ったの?」
「だから!ご主人様って言うのやめい!」
「ごめんごめん。で、なんで帰ってきたの?」
「ああ、ギルドへ依頼を受けに行ったんだ。北の森のグリズリーベアの討伐依頼。その時に俺が行きに〈飛翔〉で、飛ばしすぎてな。気持ち悪くなったそうだ」
「完全にトオルが悪い」
「それは俺も思った」
俺はそんなにしんどくならなかったんだけどな……。やっぱり速度とかのGに慣れているからだろうか?
「じゃあ、これから暇だしルーナも空飛んでみない?もちろんゆっくりで飛ぶけど」
て言っても時速40キロぐらいは出すけどな。俺だって自転車でそんぐらいは出したことあるし。
「絶対いや!トオルは何するか分からないもん!」
「おいおい、俺ってそんなに信用ないか?」
「ないね」
「そうか……」
真顔で肯定されて、俺の心はズタボロだ……。もしかして俺って周りから信用されてない?
「そうかもね」
「なぜ分かった!?俺ってそんなに顔に出てるか!?」
「うん」
いやだから、真顔で肯定すな!
……ちょっと俺、ポーカーフェイスの練習しようかな?流石にそこまで分かりやすいのはちょっと俺の考えが筒抜けになってしまう。
「無駄だと思うよ」
「……俺は諦めるしかないのか」
「まあ、表情が顔に出やすいっていうのは失礼なことに繋がるかもしれないからね。直した方がいいと思うけど……。トオルは直りそうかな?」
「そこは肯定してくれ!」
「あはは!ごめんごめん」
……笑った時のルーナってだいぶ可愛いんだな。
なんか事務的な顔をしている時のルーナしか見てこなかったからか、それを見るとギャップに驚かされる。
「お!何照れてるの?。もしかして見惚れちゃった?」
「ちゃうわい!」
それを言うや否や俺は自分の部屋へ駆け出した。
やべえ。事実見惚れていたことを本人の前でバレたことがめっちゃ恥ずかしい!やばい。布団に潜りこもろうかな?
全力ダッシュをしたおかげか、部屋までは案外早く着くことが出来た。
「はあはあ」
全力ダッシュで長距離は流石にきついな……。する時は短距離だったから、長距離を走ることがこの世界に来て無かったからな。
部屋に着いた俺は扉を開け、ソファーに腰を落ち着かせていた。
「これから、どうするかなんだよなー」
レオンや先生などの化け物たちが集まっても勝てないであろうとされている、本来の敵を倒すためにはこの程度の強さじゃ足りないって思う。
レオンが倒せるんだったらそもそも俺たちは呼ばれてないしな。
ということで自信を強化したいんだがどうしたものかね……。
〈スキル検索開始……合致スキル26件。表示します〉
そこには全て常時発動型のスキルが書かれてあった。
流石に26件全て使うのはまだどうかと思うので、5つに絞った。
〈超攻撃上昇〉、〈超防御上昇〉、〈双剣術〉、〈体術〉、〈魔力循環〉だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<超攻撃上昇>
常時発動型スキル。攻撃がすごく強くなる。攻撃上昇のスキルに上乗せできる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<超防御上昇>
常時発動型スキル。防御がすごく硬くなる。防御上昇のスキルに上乗せできる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<双剣術>
双剣を扱うのが上手くなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<体術>
体を使って、投げ技や掛け技などの技が上手くなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<魔力循環>
呼吸に魔力を乗せることによって、最大魔力量が増加する。1流の魔導師ならばこれは出来るが、スキルを持っていると発動している限り、常に魔力循環させることが可能である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この5つが今の俺が取る常時発動型スキルだ。はっきり言って魔力循環は幼い頃からスキルを持っていたなら魔力チートになりそうだな。
双剣術に関しては、なぜ普通に剣術じゃないのかというと、トルリオンは片手で触れるほどなのだ。先生との試合の時に余っている左手が何も出来なかったことを覚えている。
だから、2刀流でやればもっと上手く対処できたかもしれない。
なので俺はこれからもう一本、剣を作ろうと思います!
「うーん、どうしようかな?」
普通に神剣を作ってもいいんだけど……、やっぱりそれだとなんかなー……。
というわけで魔剣を作ろう(草)
〈スキル検索開始……、合致スキル1件。表示します〉
それで出てきたスキルは前とほとんど変わることがなかった。
変わったところは創造で生み出す鉱石が魔鋼鉄というものと、魔力を注ぎ込まないので、〈魔力操作〉のスキルは要らなかった。
「じゃあ始めるか」
その掛け声とともに俺は魔鋼鉄を生み出す。
……やっぱりヒヒイロカネが強すぎたのか、魔鋼鉄を生み出すのに使用した魔力は全体の約3割ぐらいだった。ヒヒイロカネはほぼ全部だったのに……。
生み出された魔鋼鉄はゴトッという音を立てて、地面に落ちた。
俺はそれをトルリオンと同じ形に加工する。
そうして、完成した魔剣がこれだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<魔剣 ダーインスレイブ>
<概要>生き血を浴びるまでは鞘に戻ることがない代表的な魔剣
<効果>装備時血壊魔法使用可。持ち主の攻撃力を2倍上昇させる。
<品質>悪魔級
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
……これまたぶっ壊れだな。血壊魔法っていう特殊技っぽいものだったり、攻撃2倍になったり。
っていうか、血壊魔法ってなんだ?
気になって調べてみると、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<血壊魔法>
相手の血を破壊することが出来る魔法。やり方によっては相手の血を爆発させたり、操作したりすることも出来る。血のない敵には効かない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
だった。
……すげぇチートだ。血などがないアンデッドや幽霊とかには効かないだろうけど、それ以外に対しては絶大だろうな。
これって概要の通り、一度抜いたら生き血を剣に吸わせるまで鞘には戻らないんかな?そこのところはまた今度実験することにしよう。
こうして俺の2本目の剣、魔剣 ダーインスレイブが完成するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます