第443話
異世界7ヵ月と22日目。
早朝から、ドローンで収集した各領主館の要救助者の精査をしている訳だが、『まあ、これも王城と同じで1人も居なければ楽だよなぁ~』って淡く願っていた・・・だが、現実は実に残酷であった。
こんな国でそんな事がある訳もなく、27の領主館で要救助者を発見してしまった・・・ガックリである。
寧ろ、27都市だけだった事が逆に奇跡なのかも知れない。
要救助者はザックリ各都市10名で、多い所で18名、少ない所は5名である。
まあ、救出は、1期生をリーダーにした2期生と3期生の混合チームで当たって貰う感じにしよう。
海渡は、軽くため息をついて、ラーメンの生産ラインを完成させる事に集中する事にしたのだった。
ラーメンの生産ラインは麵の太さを豚骨と醤油で変えただけで、概ね同じ物となった。
で、問題のパッケージであるが、豚骨ラーメンにはおっちゃんの屋台とラーメンの写真、醤油ラーメンには来来軒とラーメンの写真を入れて、裏面の作り方の説明の下には、
「本物の味を味わいたい方は、こちらへ!」と題したコーデリアの地図を記載してみたwww
ふふふ・・・これで完成だなw ここの店舗が決まったら、その地図も入れるとしようww
そうと決まれば、早く店の店舗を確保しないとな! ヨーコさんに頼んで置こうっと・・・
朝練の時間となり、弟子ズ達を前に、救出作戦を発表し、その概要を伝える。
「と言う事で、1期生を各チーム1人入れ、2期生、3期生を入れた7チームで救出作戦を行って欲しい。」
すると、4期生らが、
「俺らの出番は無いっすか?」
「是非参加させて下さい!!」
「やらせて下さい!」
と嘆願・・・。
ふむ・・・4期生か・・・
「では、4期生には、救出者の受け入れの手伝いをして貰いたいのだが、良いか? 但し、要救助者のほぼ全員が女性で、男性に酷い目に遭わされた者達なので、受け入れの全面に出るのは女性限定となってしまう。
更に、場合によっては、酷い状態の女性と相対する事になるので、トラウマとなる事もあり得るが、それでも大丈夫か?」
と海渡が聞くと、
4期生は「「「「「「「「「イエス・サー」」」」」」」」」と声を揃えた。
「あと、制圧後の話になるが、おそらく、5期生ぐらいまで、手伝って貰う可能性があるので、覚悟しておいてくれ。」
と海渡が付け加えると、
「「「「「「「「「「「「イエス・サー」」」」」」」」」」」」
と全員が敬礼してくれた。実に頼もしい限りである。
朝食の時間に、ヨーコさんへ、ラーメン店の店舗用の敷地の相談をしてみた。
「なるほど、となると、商業用地の何処か良い場所を確保したいですね・・・。ちょっと当たってみます。
あと、どう言った店舗にするか、エルフの方々に聞いてみます。」
との事だった。
「まあ、何店舗か集まるなら、逆にフードコートみたいにするのも面白いんだけどねぇ・・・」
と海渡がボソッと言うと、
「カイト様、そのフードコートって何ですかね?」
とヨーコさんが、興味津々で聞いて来た。
「つまり、フードコートってのはね、大きな建物の屋内に、何店舗も屋台が集まった様な所で、客席は自由に使えるテーブルと椅子が置いてあってね、好きな店の食べ物を買って来て、食べる感じ。
だから、A店のラーメンと、B店の串焼きを自分で組み合わせて欲しい物を買って、座って食べる感じ。」
と説明すると、ヨーコさんが、滅茶乗り気になってしまったwww
「カイト様、それ良いですよ!!! それやりましょうよ!!!」と。
結果・・・このフードコート作戦は、海渡の想像を超えた大がかりな物となってしまったのだった。
午前9時になったので、アーサーさんに、要救助者270名ぐらいが、収容出来る場所を確保して貰う様に連絡した。
「まあ、そう言う訳で、惨い状態の女性ばかりなので、救助後は暫く精神的な事を含め癒やす時間が必要になると思います。
こちらで、用意しても良いですが、最終的にアーサーさんの所の国民となるので、お任せした方が良いかと思いまして。
一応救助時には、体は完全に回復させてお送りします。心も癒やしを掛けるつもりですが、どれほど効果あるかは、個人差あるので。
あ、あと、ケア要員として、当方の弟子4期生を数日張り付かせますね。」
と補足しておいた。
「了解したよ。 全く本当に酷い話だな・・・。うちの国も一度引き締めて置かないとな・・・。」
とアーサーさんが呟いていた。
「よし、これで本日の必須事項は完了だなww さあ、今日も一日楽しもうぜw」
と海渡が待ってくれていたフェリンシア達3名にニッコリ笑うと、
「「「おーー!」」」
と拳を上に突き上げて叫んでいた。
今日は、大陸Bのラースデン王国(エリーゼンの東側)に行く予定にしている。
ジャクリーンさんもまだ行った事が無いらしい。
前評判は余り宜しくはない。
敵対国家ではないらしいのだが、割といい加減な国で、侵略はしてこないけど、昔から強い者に靡く様な感じの外交をする国で、信用度は無いとの事。
しかし、商業が栄えていて、それなりに発展しているらしい。
それも、海に面して無い国の為、塩の確保をする為に、商業に力を入れた政策を行っているとか。
特にエリーゼンとラースデンの国境を超える所に検問所や塀がある訳でもなく、国境自体もアバウトな感じらしい。
(今までは、それで特に問題も起こってないらしい)
光学迷彩をONにしたヒラメ君0号機で、ラースデンの王都上空へゲートでショートカットし、王都の城壁から程よく離れた場所(王都の近所には、結構彼方此方に農村や集落があったので、かなり回避した所)へ着陸し、今度は自動車に乗り換えて、王都の城門を目指したのだった。
海渡が運転する自動車は、やっと街道へ辿り着き、街道を王都方面へと直走る。
商業国家らしく、街道はかなり広く整地されていて、自動車でも走りやすい・・・正に快適ドライブである。
時々、すれ違う商団の馬車にギョッとされるのだが、乗り物と判ると、ホッとする反面、羨ましそうな目で追われるww
そして、40分程走った頃、ようやく王都の城壁が見えて来たのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます