第406話


この日を境に、各教会では、結婚の儀の記念撮影が始まる。(これは孤児院の収入になる様にしている)

衣装を貸し出し、記念撮影・・・これが国内だけでなく、全大陸にブームとなり、多くのカップルが結婚写真を撮る様になった。

また、結婚指輪も流行し、結婚写真と指輪とお姫様抱っこが、ゴールインするカップルの定番となったのだったww


また、サイダーもシャンパンもビールもバーボンも大好評で、日本の特産物として定着し、日本→さえじま商会のルートで出荷された。

サイダーに関しては、サイダーをその場で作る魔道具を屋台や飲食店向けにリースする事で、収益の独占を行わなかった事で、大ブームとなった。

ビールやバーボンは、製法や魔道具を販売する事で、収益を上げ、半年ぐらいすると、独自の味付けをする所も出て来たのだった。


海渡は、パーティの後、居残って貰った教会本部の司祭長セイジさんと、大陸Aの邪神の件を応接室で話し合った。

「なるほど・・・余所の大陸ではそんな事になっていたんですか・・・。

ふむ、で、大掃除の後、教会をどうするか?と言う事なんですね?」


「はい、そこら辺の事は私も良く判らないので、プロであるセイジさんにお任せすべきかと思いまして。」

と海渡が言うと、事が事だけに唸っていた。


「例えばですが、大陸全土を一気に!って事ではなく、1国から徐々にって言う事であればどうでしょう?」

と海渡が言うと、


「なるほど!それなら時間は掛かりますが、何とかなるかも知れませんね。」

とセイジさん。


「では、またご連絡します。宜しくお願い致しますね!」

と握手をして別れたのだった。






さて、夕食も終わり、海渡の部屋に集まった面々・・・

海渡、フェリンシア、ステファニーさん、マチルダさん、ジュリアの5名は反省会を開いていた。


「いやぁ~、みんなお疲れさん。特にマチルダさんは、大変だっただろ? 今夜はユックリ休んでね。

ジュリアもお手伝いありがとうねw」

と労を労った。


「さて、反省会なんだが、何か手順等で困った事とかあった?」

と聞くと、


「困った事というか、このインカムなんですがね、非常に便利でした。今後も業務で使いたいと思うのですが、一点気になると言うか、結構風の音とかまで入っちゃうんですよ。

そこがちょっと残念と言うか・・・。後は、指示したい者とそうで無い者全員に筒抜けになる点が問題と言えば問題でした。」

とのダメ出しを頂きました。


「うん、なるほどね。それは解決出来ると思う。うん、良い意見だね!! なるほど。となると骨伝導マイクとスピーカか。あとは、チャンネル機能を作るか。」

とメモを書く海渡。


「他には何かある?」

と聞くと、ジュリアが手を上げる。


「私の出番が雑過ぎですよ! 何か今回、殆ど活躍の場が・・・」

とクレームがww


「だって、ジュリアってさ、こう言う隠密作戦、漏らすじゃんw 結構やりそうだから、当日直前にしか危なくてw」

と海渡が言うと、ガーーンって顔をしていた。 自覚無いんかい!! それ逆に怖いなw


すると、マチルダさんが、

「ジュリア、ここは王宮だから、いつも言ってる様に、他の人に言って良い事、悪い事があるんですよ? 仲間意識でうっかり喋った事を、その人が他に伝え・・・全然関係無い余所の国の機関に知れてしまうと、国の利益を損ねる事もあるんですよ?」

と諭していた。


「そうだな、本当にそれは怖いよな。まあ、幸い今までは大した事も無いけど、この先は判らないからな。俺は秘密事項を漏らした罪でジュリアを罰したくはないからな?

そこら辺は本気で気を付けて改善して貰わないと、最悪別の部署に交代って事にも成りかねない。気を付けてくれよな!」

と海渡が頼むと、骨身に浸みてくれた様子。


「他は何かない?」

と言うと、


「他は取りあえず思い浮かばないですね。大変良い式でしたし。私も思わず、『ああ、こんな感じで結婚したい!!!』なんて思っちゃったぐらいですしw」

とジュリア。


「そうかw じゃあ、まずは相手探しだなwww」

と海渡が言うと、


「そうそれ!それが大問題なんですよw」

と嘆いていた。マチルダさんも頷いているし。


「でもさ、大食堂とかで見ると、結構カップルになってる感じするんだけど、スタッフの中で良い人見つけたら?」

と海渡が言うと、


「「出遅れたんですーーーー」」

と声を揃えて言っていたwww それは、知らんがなw


「また新しいスタッフも増えるだろうし・・・ あ!じゃあさ、お見合いパーティーでも開くか!!」

と海渡が提案してみた。


「「なんでしょう? そのお見合いパーティーって?」」


「ああ、そうか、お見合いってのはね~~」

と日本のお見合い制度を教えてやり、更に・・・お見合いパーティーってのも教えた。


「なるほど、興味深いですね。そのパーティー」

と前のめりなお二人さん。


「まあ、メイドももうちょっと人数増やして、ヘビーローテーションじゃない感じにすれば、出会いも増えるさ。

うちの執事君達って、結構イケメンだと思うんだけど、同じ職場って事で、絡みやすいんじゃないの?」

と聞くと、


「あそこら辺はダメですよ! もの凄い競争率ですもん。狙ってる子多いと思いますよ?」

とジュリアさん。


「まあ、私は別にイケメンである必要は無いんですよね・・・。一緒にご飯を美味しく食べられて、一緒にお話したりを楽しめる相手なら、特に年上でも年下・・・年下も限度ありますがねw そこまで拘らないですね。」

とマチルダさん。


「なるほどね。良い奴見つけたら、声掛けるよw」

と言うと、


「「これって期待しちゃって良いんでしょうか?」」

とワクワクされちゃった。


「いや、期待はしないで!! 心がける程度だから。 まあ、それとは別にお見合いパーティーは考えてみるよ。」

と海渡が言うと、是非!! と言っていたw


「しかし、何故か反省会が、いつの間にか恋愛相談に変わっちゃったなw じゃあ、今日は本当にお疲れ様。ユックリ休んでね!」

と言って、閉会としたのだった。


その後、海渡は地下工房で、インカムの改良版を作り、骨伝導マイクと骨伝導スピーカーで99チャンネルの設定が出来る様にした。

但し、無線機の様に距離制限がある訳でもないので、全く関係無いグループの会話が聞こえると拙い為、初期登録した魔力グループでのみ通話可能にした。

つまり、Aと言うグループが10個のインカムを買った場合、Aのリーダーが全部を初期化すれば、Aグループの会話はBグループには干渉しない。

また、100個とか1000個とかを購入する場合、初期化用の魔道具をセット販売する感じにした。

生産ラインを10個作り、生産を開始して、部屋へと戻ったのだった。




そして、夜の10時、海渡の部屋に集まった弟子ズの第1期生に、作戦内容を伝える。

「これより、聖騎士の食料物資奪っちゃえ作戦を説明します!」

と宣言する。


「兄貴、それタイトルが作戦内容っすよwww」

とラルク少年。


「ふふふ、そうかw まあその通りなんだがなw とにかく、隠密スキル全開で、コッソリ食料テントに忍び込んで水、食料、武器を奪取する作戦だ。

10個師団だから、一応10人で当たろう。 尚、絶対に感づかれてはダメだから最深の注意をする様に。」


「「「「「「「「「イエス・サー」」」」」」」」」

と敬礼し、ゲートで聖騎士団の侵攻部隊の上空に出た。


もう笑っちゃうぐらい、ユルユルの警備で、敵が来るなんて考えてもいない様な状況だった。

「(じゃあ、各自作戦開始!)」

と合図して、方々へと散った。


そして5分後、ニンマリ空中で笑う10名は、声を笑い殺しながら、王宮へと戻ったのだった。

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