第378話
第1期生を連れて、ダンジョンの第5階層に出た。
ちなみに、まだ誰もこの階層を抜けてないらしい。
超巨大な階層であるが、実際の所、海渡には、既に第6階層への階段の場所の目星は付いていた。
弟子曰く、このダンジョンは中心の階段から円周部分に近くなる程魔物が強くなるらしい。
と言っても、大した物は居ないらしいが、結構良いお金になるのが出るらしい。
以前の様に3組に別れ、海渡らは以前に収穫した果物を収穫に行く。
久々の収穫に、我を忘れて、はしゃぎながら、闇魔法の触手でドンドン収納して行く。
次々と周り、最後の収穫を終えると、第6層への階段の目星の付いている場所へと空から向かった。
目の前のデカい、デス・タランチュラと言う蜘蛛の魔物とその子供。その奥には、洞窟があり、奥に階段が見えて居る。
と言う事で、Lv62のデス・タランチュラを巣ごとファイヤーランスで打ち抜いて子蜘蛛の方は、水をぶっ掛けて30本ぐらいの電撃で一気にやっつけた。
そして、洞窟の奥の階段を降りて第6階層へと進んだ。
階段を出ると、そこは草原あり、遠くには山あり、一部には林もある、一見普通の風景であった。探査用ドローンを4000機飛ばし、周囲をマップで確認すると、草原であるが、無数の赤い点が表示される。
林の方には、ウルフ系やベア系・・・まあどちらも強いて食べようとは思わないな。
草原はボア系やラビット系、牛系、羊系等、あと珍しいランナー・バードって言うダチョウみたいに飛べない奴・・・食べて美味しい系が居るみたい。
山の方は・・・お馴染みのミノタウロス、オーガ、ロック・リザード、ブラック・バード辺りらしい。
ランナー・バードやブラック・バードは見た事が無いので、判らないのだが、ザッと見た限りだと、ここの階層はLv70前後が多い。
「ほう! 結構色々な種類、しかも、美味しいのが沢山居るね。ランナー・バードで焼き鳥とか美味そうww 塩かな? タレかなww」
と海渡が話すと、俄然ヤル気を出す2人。
口元からは、涎が覗いているwwww
「さあ、海渡!!」
と急かすが、
「まあ、待てよw ドローンがまだだし。」
と言うが、帰還パレットだけ出して置けば良いでしょ? と腕を引っ張られ、ランナー・バード狩りに出かける事にした。
それがさぁ、こいつ、結構早いんだよね。チョロチョロ、チョロチョロ、高速で移動しまくるので、ノンビリ移動してると、追いつけない。
しかも、気配関知や魔力関知能力が高いらしく、奴らに向かう前に目の前に現れる魔物をやっつけると、それを関知して、移動しちゃうのである。
それもあって、何故か、全長3~4mのロケット・ボアや全長1.5mぐらいのキック・ラビットとか、レッド・バッファローとか、色々な魔物がアイテムボックスに溜まって行くw
最初は軽い気持ちで向かっていたのだが、段々と意地になってしまい、3人で3方向から攻める事にした。
ランナー・バードは群れで移動する為、これなら縛りPでも、撃ち漏らしが少ないだろうと言う予想である。
もし、本気でランナー・バードを狩るのであれば、それこそ、頭を狙ってタンクガンで遠距離狙撃とか、空中からの雷撃とか色々やりようはあるのだが、敢えて普通の冒険者っぽくやってみようか?と言う提案に乗った結果である。
なので、極端な身体強化や身体加速も使っていない。
体力的な問題で、ステファニーさんは動かず、海渡とフェリンシアが回り込んで10時と2時の方向から攻める事になった。
『位置についたよ!』
『こっちもOKです!』
『こっちはいつでもOKやで!』
『よし、Go!!』
と号令を掛け、3方向から追い込み開始。
結果、海渡5匹、フェリンシア5匹、ステファニーさん1匹・・・。
「なんでやーー! 何でうちだけ!!!」
と駄々を捏ねるステファニーさん。
うん、だよな。ステファニーさん、スキル使わないと、移動速度遅いもん。
「ああーー、もう!!」
とキレたステファニーさんが、タンクガンを取り出し、
「狙い撃つぜ!」
とキメ言葉を吐いて、「バシュ、バシュ、バシュ、バシュ」と4連射した。
「ふふふ、これでアイコやでぇw」
とニカッと笑っていた。
15匹をアイテムボックスに収納し、山へと空を飛んで向かった。
途中めぼしい獲物が居たら、サクッと討伐して、先へと進む。
山エリアに入り、岩と見分けの付きにくい、ロック・リザードからの襲撃を受ける。
まあ、居るのは判るんだけど、保護色で判りづらい。
海渡は、マサムネさんの渾身の作である長刀を手にし、付与を掛けずに、袈裟斬りに斬り付けた。
「ギシュ」と言う音と共にロック・リザードの首が綺麗に落ちた。
「これ、切れ味ヤバいね。あの堅い岩の様な鱗を付与無しで切れるとか、滅茶凄いやんww」
と海渡が興奮する。
次の魔物もロック・リザードで、これをフェリンシアが両手に持った、同じくマサムネさんの作である小刀で2連撃を噛ますと、「ザシュ、ザシュ」と綺麗に斬れた。
「本当に凄いですね。この切れ味。ヤバいですww」
と満面のフェリンシア。
「ええなぁ・・・うちも刀に切り替えようかなぁ?」
とステファニーさんがナイフ(海渡が打った奴ではなく、ドリンガさん作)を構え、次のロック・リザードに斬り掛かるが・・・あ、弾かれたww
いや、ナイフの性能もあるけど、小剣術のLvがまだ5だからだよなぁ。
再度、今度は『身体強化』と『身体加速』、『クロックアップ』を発動し、更にナイフに『鋭利増加』『貫通増加』『斬撃加速』を付与して再度アタック。
「ドシュ」と言う音と共に、首が落ちた。
海渡が見ても、ドリンガさんの打ったナイフは素晴らしい出来である。
これで、ナイフのせいにされたら、ドリンガさんが可哀想だよなw
なので、
「ステファニーさんも、朝練でもっと小剣術磨き掛けましょうよ!」
と提案するのだが、元々弓術が得意(Lv10)なので、手をヒラヒラさせて、
「うちは、これがあるさかい、ええねんw」
と腰のホルスターにはまってる、ハンドガンをポンポンと叩いて笑っていた。
「それで撃つと、オーバーキルですよ? 取る所が残らなくなる可能性あるから、気を付けてねw」
と言うと、「うむ・・・」と言っていた。
岩だらけの山を登って行くと、オーガの群れに近付いた。
オーガのLv77を筆頭に、Lv70までの86匹。
「大量だなw 流石に『縛り』は無しで行こうか。 どれも3ヶ月前の俺だと、即死級だよwww」
と海渡ら3名は『身体強化』、『身体加速』、『クロックアップ』を発動し、武器に『鋭利増加』『貫通増加』『斬撃加速』を付与した。
ステファニーさんの20発の雷撃で口火を切り、素材を痛めないように、首チョンパを狙い、斬撃を繰り返す。
オーガも手にした大剣を使って応戦するが、反射速度と武器の性能が違いすぎて、一方的な惨殺となっている。
5分くらいの戦闘が終わり、岩肌の地面には、ゴロゴロとオーガの首と胴体が散乱していた。
「うーん、やっぱり『身体強化』、『身体加速』、『クロックアップ』のスキル使うと、相手にならないし、スキル使わないと、相手の攻撃を受けたら体重差で吹っ飛ばされるし、加減が難しいよな。」
と海渡が贅沢な悩みをぶちまける。
「これだけオーガあれば、ドラクさん喜んでくれるんじゃないかなww」
と86匹のオーガの死体を回収し、次の反応に向けて進んで行くのだった。
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