第352話
昼食後、せっかくだから、弟子ズも連れて、ここのダンジョンへ少し潜る事にした。
「あ、兄貴! ダンジョンに海が!!!」
と驚くラルク少年。
「だよな。驚くよなw まあ、ここは面倒だからパスして、第4階層に向かうぞ!」
と海渡を先頭に、第4階層への階段のある島へと飛ぶ。
そして、第4階層に降りて来た弟子ズ達は、
「「「「「「「ボス!砂だらけだーーー!」」」」」」」
と叫んでいた。
全員乗れる方が良いかと、バスを出して進む海渡。
しかし、トラックと同じプラットフォームながら、バスの場合は床下に時空間収納を付けた事で、早くも底付きしてしまい、3列シート仕様の車2台に分乗して進む事にした。
暫く進むと、サンド・ワームの反応がこちらに向かってくる。
海渡は弟子ズに任せ、見守る事にした。
初めてのダンジョンに張り切る少年少女3名で瞬殺されたサンド・ワームを収納して、先へと進む。
海渡の1号車にはステファニーさんと、少年少女隊3名。
フェリンシアの2号車には、ケモ耳ズ4名が乗っている。
それぞれ、順番にサンド・ワームを瞬殺しながら、1時間半ぐらいで第一オアシスに到着した。
「ふぅ~、ここまで長かったなw やっとオアシスに辿り着いてねww」
と砂漠の楽園で休憩する海渡達。
オアシスの周囲だけ、木が茂っていて、草も生えている。
椰子の木っぽい木があって、ココナッツっぽい実がなっている。
ただ、実がデカい。
直径で80cm~1m20cmぐらいの椰子の実・・・あれが頭上に直撃したら、たんこぶぐらいでは済まないだろうな。
試しに1つ、もぎ取って鑑定してみると、
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ヘブン・ココナッツの実
説明:ダンジョン内のオアシスにしか生えないヘブン・ココナッツの実。ダンジョン椰子の木とも呼ばれる。
ダンジョン内でも滅多に無いのでレア級。
内部のジュースはとても甘く美味しいく、疲れを取る効果や美肌効果がある。
実の内側の果肉は滋養強壮効果があり栄養満点。
実の外皮で作った椰子殻の炭は肥料に最適である。
ダンジョン椰子ガニの好物。
市場にでるのは希で、高額で取引される。
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「ほう!!これは!!! 美味いらしいぞ!」
と全員に声を掛けると、全員が俄に活気づき、ホクホク顔で採取している。
すると、ゴソゴソと巨大なカニ・・・ヤドカリ・・・ザリガニっぽいのがやって来た。
椰子の実を採る海渡らをガン見して、シャーーー! と奇声と、巨大なハサミを振り上げ、威嚇してらっしゃる。
即座にミケが凍らせてしまい、瞬殺。
死体を鑑定してみると、
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ダンジョン椰子ガニ
説明:ダンジョン内のオアシスのヘブン・ココナッツの木の側に生息するカニの魔物。
ダンジョン内でも滅多に無いので超レア級。
甲羅は堅く耐物理攻撃を持つ。
肉がプリプリで超絶に美味しく濃厚。
塩茹でがお勧め❤
実の内側の果肉は滋養強壮、精力増強効果があり栄養満点。
ヘブン・ココナッツの実が好物。
市場にでるのはほぼ無い。
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とこれまたグルメシリーズwww
「これも超絶に美味いんだってさww 後で食べようなw」
と凍った冷凍ダンジョン椰子ガニ(4m)をポンポンと笑顔で叩く海渡。
「ああ、ダンジョンって美味しいww♪」
と思わず両手を広げて叫んでしまう。
みんなはクスクス笑いながら、涎を拭いていたww
ヘブン・ココナッツの実を全部収穫し終わり、颯爽と次のオアシス向け出発する。
その後、サンド・ワームの襲撃を5回程撃破し、新たにデス・スコーピオンなる10mぐらいのサソリの魔物も3回程撃破して、次のオアシスに到着した。
ちなみに、このデス・スコーピオン・・・美味いんだって・・・カニというより伊勢エビに近い味なんだって。
あ、毒袋だけは食べちゃダメらしいんだけどね・・・デカいサソリだよ? ちょっとなぁ・・・。
しかし、サンド・ワームで味を占めたフェリンシアも食べる気満々みたい。
ちなみに、このオアシスの椰子の木には実がなってなかった。
よって、ダンジョン椰子ガニも出て来なかった。
「やっぱりさっきのオアシスは当たりだったんだね。 レアって言うだけあるねぇ。」
と少しテンションの下がる海渡御一行だった。
気を取り直し、直ぐに更に次のオアシスを目指して出発する。
幾度かの戦闘を終え、次のオアシスに到着したが、ここにもヘブン・ココナッツの実は無かった。
時間も午後5時過ぎなので、本日の探索は終了とし、ゲートで秘密基地の滑走路に出て、飛行機でトリスターへと戻ったのだった。
南門から宿舎までの道のり、
「なあ、あのダンジョン椰子ガニ、どうしようか? 4mだったら、ギリトリスター本店の人数分はあるかな?」
と海渡が言うと、ステファニーさんが、なかなかナイスな提案。
「カニ飯・・・炊き込みご飯にしてしまえば、かなりの人数賄えるんちゃうかな? または甲羅ごとカニ味噌汁にしてまうとか?」
「ふむ・・・、中々良いプランだが、それでも3000人以上は難しいんじゃないか? いっそ、諦めてもう2~3匹仕留めてから、みんなで気持ち良く食うか!」
と提案すると、実に残念そうな表情でむせび泣く特定の数人。
「まあ、どうせ今日の夕食には間に合わないんだから、後でアニータさんに相談だなw」
と言うと、やっと諦めてくれた。
そして、夕食の後、アニータさんに相談したら、巨大過ぎて、このままじゃ調理無理! と言われ納得した。
味噌汁にするにしても、ブツ切りで寸胴に入れる感じだし、どれくらいの出汁が出るか、未知数で判らないですとの事。
「まあ、解体する時は、俺か弟子達に声かけてね。 こっちも、あと何匹か探すつもりだから。」
とお願いして、預ける事にした。
(持ってると食っちゃいそうだしなw)
風呂の後に、地下工房で、岬の別荘をもっと部屋数の多い物にしようと、スケールアップ版を作成した。
部屋数を10部屋に増やし、それに伴い、風呂やリビング、食卓を大きく取った。
トイレも1階、2階、各2つに増やした。
これで、時間が出来たら、ダンジョンに籠もる際の拠点にしても弟子ズ全員でユッタリ泊まる事が可能だろう。
まあ、ラルク少年はお母さんいるから、余り外泊させるのは拙いだろうけど・・・。
などと考えていると、久々に海渡は両親の事を思い出した。
「そう言えば、前に女神様が夢で伝えてくれたって話しだったけど、またその内、近況を伝えて貰えるかなぁ?」
と独り言を呟くのであった。
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