第309話


ドミニクさんの店に舞い戻り、驚くドミニクさんに事情を説明し、防具を見立ててくれとお願いすると、大爆笑された。

ついでに武器もドリンガさんの所で調達する。


彼女らのメインの武器だが、ミケは両手剣、パトリシアは片手剣と小手盾、キャスは短剣と弓らしい。

と言う事で、ソコソコの装備と十分以上のグレードの武器で固めて貰い、今日明日の2日間でブートキャンプを行う行う事にした。


勿論、『強くなれる』(強くする)と言う事で、彼女らはキャッキャと大喜び。

端から見ると、意中の男性に鼠が出る王国に初デートに誘われた女子高生の様な喜びようなんだがな。


曰く、

「女性でも、巣や群れを守る為に強くなくてはならない。」

と真剣な顔で語ってらっしゃった。


流石はどこぞの戦闘民族の様な脳筋っぷりだ。



さて、準備は出来たのだが、折角だからラルク少年も誘うかと、連絡してみると、是非!! と言う事になり1泊2日のブートキャンプに出発した。

南門から出て、海渡の2号機に乗り込み、まずは秘密基地へと向かった。


ここでケモ耳3人の現状の確認と初期ドーピングを行う予定。

ラルク少年らは、フェリンシアの引率で、塀の外で少し狩りをするらしい。

まずは3人の許可を得て鑑定すると、


**********************************************************************

 名前:ミケ

 種別:猫族

 年齢:11歳

 Lv:15

 状態:正常

 HP:730/730

 MP:327/327

 筋力:814

 俊敏:1014

 武術:剣術Lv6 体術Lv3

 魔法:水Lv1

 スキル:暗視 視力強化 嗅覚強化 聴覚強化 気配察知Lv3 調理Lv2

     身体強化Lv1 魔力感知Lv1 魔力操作Lv1

 称号:

 説明:海渡を群れのボスと崇める者

**********************************************************************


**********************************************************************

 名前:パトリシア

 種別:猫族

 年齢:10歳

 Lv:11

 状態:やや興奮状態

 HP:612/612

 MP:201/201

 筋力:654

 俊敏:829

 武術:小剣術Lv5 体術Lv3

 魔法:火Lv1

 スキル:暗視 視力強化 嗅覚強化 聴覚強化 気配察知Lv2 調理Lv2

     身体強化Lv1 魔力感知Lv1 魔力操作Lv1

 称号:

 説明:海渡を群れのボスと崇める者

**********************************************************************


**********************************************************************

 名前:キャス

 種別:犬族

 年齢:10歳

 Lv:11

 状態:正常

 HP:658/658

 MP:228/228

 筋力:882

 俊敏:722

 武術:剣術Lv2 弓術Lv5

 魔法:風Lv1

 スキル:視力強化 嗅覚強化 聴覚強化 気配察知Lv2 調理Lv2 身体強化Lv1

     魔力感知Lv1 魔力操作Lv1

 称号:

 説明:海渡を群れのボスと崇める者

**********************************************************************


と出た。

「ほう、身体強化持ってるのか!」

と褒めると、何の事はない、先日の海渡の行った講習会で生えただけの常態との事だった。

ちなみに、調理も同じ。

種族の特性で、猫族は俊敏寄り、犬族はパワー寄りとの事。


と言う事で、まずは骨粉入りハチミツ水を飲ませてドーピング開始。

戦闘シミュレーターを設置し、カードを初期化させ、3人モードで1プレイさせる。

勿論、身体強化を使わせている。

シミュレーターは、海渡が若干モードを弄ってあって、積極的にペースアップさせるモードとなっている。


見ていると、流石は冒険者として実際に活動していただけあって、動きに無駄が無く、気配察知も結構出来ている。

「もっと気配察知と魔力感知も使って、後ろや横からの攻撃も察知するように!!」


「ほら、ドンドンペースが上がるぞ! 敵のペースに飲まれるな!!自分らのペースを上げろ!」

「身体強化で回す魔力に体の動きが速くなるイメージを載せろ!」

と容赦無い指示を飛ばす。


最初は指示に対して、

「「「はい!」」」

と声を出していた3人だが、15分のプレイが終わり、肩で息をしながら、ゼイゼイしていた。


ラピスの泉の水で、水分補給をして、次は3人同時のソロプレイでやらせてみる。


すると、変化はすぐに現れた。

開始から2分もせずに、いきなり、3人のペースが上がる・・・生えたな!?

なるほど、3名でチームを組んだ場合、依存心と言うか共存心と言うか、お互いに協調しようとする感じで、ペースが上がらなかったのかもしれないな。


何となく原因が判った海渡は、その後分離した状態での訓練を続行させる。

ニヤリと黒く笑い、遠慮無く、無慈悲にハードモードに設定を弄り続ける海渡。


「キャッ」とか、「アアン」とか、「尻尾がぁ」とか可愛い悲鳴が時々聞こえるが、火に燃料投下だw

その所業は完全なSである。


「おら!ウジ虫共! 何を許可無く休んでる? 俺が一人前のハエにしてやる。それまで地面を舐めるのは禁止だ!」

「ウジ虫共、ウジ虫はウジ虫らしく、地べたを跳ね回って動き続けろ!」

等と追い込んで行く海渡。


気持ち良く1時間半程追い込んだ後、昼食を兼ねた休憩に入る頃には、彼女らの身体強化Lvは5まで上がり、身体加速Lvは4、魔力感知はLv5 魔力操作Lv6・・・

そして、何と多重処理スキルまで生えていたのだった。


コッソリとスキルの状態を確認した海渡は、クックックと黒い笑みを漏らすのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る