第260話
取りあえず、一度上空に飛び立ち、空から確認すると、ベヒモスさんのお陰で、大きな道が出来てました。
道は500mぐらい続いている感じ。
「つまり、500m先に寝てたベヒモスを奴らがたたき起こした!? って事かな。
で、逃げてる先頭集団を俺がヤった感じか!?」
と状況を推測する海渡。
ベヒモスは、全長70mぐらいで高さが35mぐらいかな。背中の甲羅にトゲトゲとした3mぐらいの突起が生えている。
刺さると絶対痛そうな感じだねw
そしてその後方のヒュドラの方へと視線を移すと、昔見た映画のキングギドラの羽無しバージョンの様な5本首のドラゴンっぽいのが居た。
「うっへぇーー! あれか!!」
と呟く海渡。
ベヒモスさんも、おかしいサイズだけど、あのヒュドラもサイズが異常だよね。
首の太さ軽く1mぐらいはあるし、全長だと尻尾も入れて40mはあるよ?
「さてと・・・まずは周囲を少し広くするかな。」
と呟きながら、身体強化、身体加速、クロックアップを発動しつつ、ヒュドラの側面50mに着地して、先ほどと同じ高速回転のアイスカッター半径10mバージョンを10枚出してヒュドラの周囲を
渦巻き状に回って最後にヒュドラに収束するように発射した。
「ギャー」とか「グォーー」とか「ギャン」とか様々な断末魔の悲鳴を残しつつ、ヒュドラを中心に、半径200mの魔物が次々と絶命して行く。
そして最後にはヒュドラの足や尻尾に当たって消えるアイスカッター。
ヒュドラの足も尻尾も全くの無傷だ。
取りあえず足場を綺麗にする為、闇魔法の触手ネット版で、ヒュドラの周りの死骸を全部収納する。
刀を取り出して、『鋭利増加』『貫通増加』『斬撃加速』を4重に付与して、瞬間的に踏み込んで、首に向かって横薙ぎに斬りかかった。
「ガキン」と言う音と共に、刀が堅い鱗に弾かれる。
「わぁ・・・やっぱりブラック・ワイバーンより堅いんだw」
と苦笑いしつつ、尻尾側へと後退し、ヒュドラの死角へと回り込もうとしたが、ヒュドラは別の首を瞬時に海渡に向けて、炎のブレスを吐き出した。
咄嗟に飛行魔法を掛けて上へと回避する海渡。
違う首がアイスブレスを海渡に向けて発射。
更にこれを高速回避しつつ、雷魔法をヒュドラに向けてお見舞いする。
「バッッシーン」ともの凄い光と音が鳴り響き、ヒュドラに雷撃が入るが、鱗で拡散されてしまった。
えーー! 電気的な感電さえ、平気な感じかよ・・・。
じゃあ・・・と、今度は自主的に禁断にしていた火魔法の攻撃を試してみる事にする。
火魔法の火炎弾(貫通炸裂弾をイメージ)に風魔法で酸素をぶっ込んで超高温の超火炎弾を30生成して1つの首に集中砲火!
「「「「ズゴゴゴゴー」」」」
ともの凄い音と共に爆風が吹き荒れる。
更に30発用意して、同じ箇所に発射!
「「「「ズゴゴゴゴー」」」」
更に30発用意して、同じ箇所に発射!
「「「「ズゴゴゴゴー」」」」
「グオーーーー」とヒュドラの咆哮とも悲鳴とも聞こえる声が聞こえている。
≪ピロリン♪ 魔法:火Lv5を取得しました。≫
≪ピロリン♪ 魔法:風Lv5を取得しました。≫
「やったのか!?」
と自分でフラグを立ててしまい、それに気付いて思わず苦笑する海渡。
爆風で、周囲の木・・・と言っても100mぐらい離れているのだが が、折れて倒れている。
ヒュドラは体勢を崩しては居るものの、集中砲火を受けた首は、鱗に微かな亀裂が入った程度だった。
「マジかよ・・・これでもダメなのか・・・」
レーザーとかだとどうなんだろうか?と思いつき、今度は光魔法で太陽光線を収束されたレーザー光線をイメージしてみる。
一応、大騒動に発展してしまった「青い炎の柱」を踏まえ、大幅な自重を入れてる(つもり)。
そう!俺は出来る子なのだ! と海渡本人は思っているが・・・
魔力を集中して高め、収束に収束を重ねたレーザーを照射!!
「ボシュ」
と言う音と共に亀裂の入った鱗に当たり、鱗が溶ける。
魔力が抜ける感覚を久々に覚える海渡。
≪ピロリン♪ 魔法:光Lv6を取得しました。≫
何とか鱗は貫通した様だが、レーザーだけでヤルのは魔力的にも結構厳しいな・・・。
等と冷静に分析中の海渡に対し、強烈な憎悪を向けてブレスを発射する5本の首。
海渡は、土、風、火、水、闇(毒)の5種類のブレスを回避する。
5本のブレスが海渡のを追う様に荒れ狂う。
地形が溶け、削られ、毒で腐食し、或いは粉砕され、酷い有様になっている。
こりゃあ、魔法だけじゃ厳しいからと、本来海渡が得意とする攻撃である、刀に切り替える。
この刀・・・後どれくらい付与出来るかなぁ?とちょっと心配しつつも、『鋭利増加』『貫通増加』『斬撃加速』をもう1回掛けてみた。
5重掛けだ。
刀が怪しく薄ら光っている。
「まだ大丈夫そうか!?」
更にもう1回、『鋭利増加』『貫通増加』『斬撃加速』を掛ける・・・6重掛けだ。
≪ピロリン♪ スキル:魔法付与Lv8を取得しました。≫
刀が白く輝きだして、まるでラノベの聖剣の様な雰囲気になっている。
瞬時に、火魔法と光魔法の5mボールをソフトボールぐらいまで圧縮して、高速で真ん中の頭めがけ発射し、一瞬遅れで端の首の横まで移動する。
その間、0.001秒。
真ん中の頭に命中した弾が激しく爆発し、辺り一面が真っ白に光輝く。
ちなみに、この真っ白な光はトリスターでも確認された らしい。
海渡と目を薄く片手で覆いつつ、目眩ましの爆裂弾に視界を奪われているヒュドラの端の首へ袈裟斬りに斬りかかった。
≪ピロリン♪ スキル:環境順応Lv1を取得しました。≫
「ズシュ」っと言う音と共に、首が落ちた。
新しいスキルのお陰で海渡が放った球の強烈な光でも普通に視界が保たれるようになった。
首の切り口を、火魔法のファイヤーランスで焼き、落ちた首を素早く収納して、バックステップで10m程距離を保つ。
その時点でやっと爆発と激しい光が収束したが、ヒュドラは突然の激しい光と爆発でまだ視界が戻って内ようで、でたらめな方向へと残った4つの首がブレスを吐き出している。
「ほう、6重掛けの攻撃は効くみたいだな。」
とほくそ笑みつつ、更にもう一発爆裂弾を発射!
ランダムに吐き出されているブレスを回避しつつ、縮地で首の根元に向けて移動して、今度は刀へ火魔法の炎の付与を追加しつつ、袈裟斬りに斬りかかった。
斜めに真っ白に光輝く残光を残しながら、「ジュシュ」っと言う音と共に更に1つ首が落ちて、これを収納する。
切り口はこんがり良い匂いを放っているww
超高級肉の焼ける堪らない匂いに、軽く意識を奪われている隙に、後方から回り込んだ尻尾が鞭の様に、海渡に目掛けて飛んできた。
「あっぶねー!!」と叫びつつ、海渡はその尻尾を上段から一振りして切断した。
「ジュシュ」と言う音と共に、更に香ばしい肉の焼ける良い匂いを残しつつ、尻尾の1/3が切断された。
「ほう!良い匂いさせてるじゃねーかwwww」
と笑いつつ、ヒャッハーっと胴体の上に飛び乗って、反応の遅いヒュドラを手玉に取って、真ん中の首を切断した。
そしてその横の首も切断。
残る最後の首も一気に切断して、その勢いのまま胴体から飛び降りた。
マップ上のヒュドラの反応が消えた。
≪ピロリン♪ Lv33にレベルアップしました。≫
≪ピロリン♪ Lv34にレベルアップしました。≫
≪ピロリン♪ スキル:身体強化Lv8を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:クロックアップLv8を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:身体加速Lv8を取得しました。≫
「おお、やっと終わったか?」
と呟きつつ、胴体と落ちた首を収納する。
ヒュドラの周囲に残った魔物を刀の斬撃を飛ばして、切断しつつ収納する。
更に高速回転アイスカッターを10枚出して、後方へ向かってはっしゃした。
後方700m程の魔物の反応が消え、闇魔法のネットでカットした魔物と木を収納する。
さて、前方で絶賛食事中のベヒモスさんなんだが・・・
モグモグと食べながらこちらを凝視してらっしゃる。
うん、知ってたよ。
ヒュドラとの戦闘中、気配察知のお陰で、視線がバンバン飛んで来てるのを感じてたからね。
だけど、攻撃してこなかったんだよね。
と言うか、こちらへの敵意が全く無い感じなんだよね・・・。
なんか、言いたげな目でこっちを凝視している様な気がする。
『智恵子さん、このベヒモスさんだけど、攻撃する気なさそうだよね。』
と智恵子さんに相談してみる。
『そうですね。先ほどまでは、叩き起こされた様で、機嫌が悪かったみたいですが、久々に食事して今ご機嫌っぽいですよね。知能は非常に高いので、もしかすると話が出来る可能性もありますね。伝心で話かけてみたらどうですかね?』
との事。
ほう!伝心で話かけるか!!! なるほど、その発想はなかったな。
海渡はベヒモスの目を見つめつつ、伝心で話掛けてみる。
『おーい、ベヒモスさーーん!おーーい!』
『・・』
『おーーーい!聞こえるかーー! ベヒモスサーーん!』
『・・・ぁ』
『・・・ぃ・ぁ・』
『聞こえる? ベヒモスさーーん!』
≪ピロリン♪ スキル:伝心Lv4を取得しました。≫
『おねがい・・・、殺さないで・・・、大人しくするから!』
と声が聞こえたww
『おお、聞こえた! ベヒモスさん。』
≪ベヒモスが従魔となる事を希望しています。テイムにしますか? はい/いいえ≫
と久々に選択するメッセージが流れて来た。
面白そうなので、『はい』を選択してみた。
≪ピロリン♪ スキル:テイムLv10を取得しました。≫
≪ピロリン♪ Lv35にレベルアップしました。≫
なんと、ベヒモスをテイムしたら、いきなりテイムLv10にって、レベルも上がったよw
つまり、テイム=討伐と同様の経験値 って事かな?
『親分!ありがとうございます。』
とベヒモスの声が聞こえる。
≪ピロリン♪ 新しい称号:ベヒモスの親分 を取得しました。≫
『俺は海渡だよ。君は何て名前?』
『海渡親分っすね!? あっしには特に名前ってのはありやせん。何か適当に良い名前付けて下さいっす。』
『そうか、名前ないのかぁ・・・、うーーん名前ねぇ・・・ ちなみに、性別ってあるの?男?女?』
と名前の候補を考えつつ、聞いてみた。
『あっしは、一応女っす。』
マジかーー、女の子なのね・・・。
ギリシャ神話の土の神ってレアーとかレイアとかだっけ?と考えつつ、
『そうかぁ・・・女の子なのか、じゃあちゃんと良い名前にしないとだなぁ・・・。レイアでどう?』
と聞いてみると、
『わぁーい、じゃああっしは、今日からレイアっすね! 親分!良い名前ありがとうっす!!』
と嬉しそうな声が聞こえて来た。
ちなみに、この会話の中でもベヒモスさん改め、レイアは絶賛食事中。
『レイア、そこの魔物、全部やっつけといてくれる? 俺、ちょっと、向こう側をヤって来るから。』
と言うと、
『了解っす!! 美味しく頂いておきます。』
とフェリンシアと同じ匂いのする返事が。
あ!!!フェリンシア!!
『あ、そうだ!俺さ、フェリンシアって言う仲間居るんだよね。フェリンシアは攻撃しちゃダメだよ?』
と釘を刺しておく。
『フェリンシア! 聞こえる?そっちはどう?』
とフェリンシアに呼びかけつつ、マップでフェリンシアの方を確認すると、Y字の二股の根元まで綺麗に反応が消えていた。
『丁度、今二股の分岐の所まで狩り終わったので、そちらに向かう所です!』
との事だった。
『ごめん、ベヒモスだけど、全然戦闘の意思が無くてね、殺さないでくれって懇願されて、従魔にしちゃった。』
と言うと、
『あらーー。まあ仲間になったんだったら、まあしょうがないですね。あと1分でぐらいで到着します。』
との事。
『レイア、もうすぐここにフェリンシアが到着するから、攻撃しちゃダメだよ?』
『はいっす!』
そして、フェリンシアが到着した。
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