第219話


異世界2ヵ月と11日目。


さあ、今日から残りの11都市をジェイラス、ドエイヤ、トスゲド、ラスマニア、ギュート、グレッセン、グリス、ドゲラオ、ラリス、サスケード、ハリセンの順に制覇していく事となる。


ヨーコさんらの提案で、

「この際、11都市は定休日関係なく、一気にやっつけちゃいましょう!」

と意気込んでおり、お言葉に甘える事とした。


よって、『遠征デスマーチ』となる訳だ。

手順はラステンと同じで、これを各1日で行う11日を送る事となるのだった。


そして、デスマーチ1日目・・・ジェイラス制覇。


異世界2ヵ月と12日目・・・ドエイヤ制覇。


異世界2ヵ月と13日目・・・トスゲド制覇。


そして、海渡の6歳(28歳)の誕生日。

朝起きると、身長伸びてたよwww 掌も少し大きくなっていた。しかし、まだまだ刀のグリップを握るには全然足りない・・・。

握りの部分を改造しようかな?と考える・・・。


異世界2ヵ月と14日目・・・ラスマニア制覇。


異世界2ヵ月と15日目・・・ギュート制覇。


異世界2ヵ月と16日目・・・グレッセン制覇。


異世界2ヵ月と17日目・・・グリス制覇。


異世界2ヵ月と18日目・・・ドゲラオ制覇。


異世界2ヵ月と19日目・・・ラリス制覇。


異世界2ヵ月と20日目・・・サスケード制覇。


異世界2ヵ月と21日目・・・ハリセン制覇。




「ふぅ~ やっと終わったね♪」

とハリセンの宿舎の食堂でコーヒーを飲む海渡が満面の笑みで語る。


「ええ、何とかなりましたねwww」

とカフェオレをフーフーと冷ましながら飲んでるフェリンシアも微笑む。


「お二方、お疲れ様でした。しかし、このコーヒーって本当に癖になりますねw ケーキ等のスイーツとの相性抜群ですよ!海渡様が拘る理由が判りましたwww」

とニコニコ顔のヨーコさん。




そう、このデスマーチの最中にテリラスのジャックさんから、連絡があり、コーヒー豆の初収穫があったのである。


早速乾燥させ、焙煎し豆を挽いて、異世界で初めて飲んだコーヒーに思わず狂喜乱舞した海渡だった。


更にこの期間の間、カイトは


・上白小麦製粉機

・コーヒー豆乾燥機

・コーヒー豆焙煎機

・コーヒー自動ミル(店舗用/家庭用)

・コーヒーメーカー


を作成し、テリラスの小麦や野菜のブランド化にも成功していたのだった。


コーヒーは本店や開店したカフェを通して、徐々に浸透し、今や結構良い値段にも拘わらず、スイーツのイートインの1/3はコーヒーやカフェオレを注文されるまでになっている。


店舗の方では、コーヒー豆の他にコーヒーミルの魔道具やコーヒーメーカーの魔道具も販売し始め、徐々に売り上げを伸ばしている。


益々増える需要に対応すべく、ジャックさんからコーヒー畑を増やす様に頼まれ、10倍の面積に増やした。


テリラスは税収も、人も増え、ジャックさんの嬉しい悲鳴と領民の笑顔が溢れていたww


また行商部隊の成果も素晴らしく、30機体制にまで増えた結果、ワンスロット王国の全都市に魔動波ビーコンを設置完了し終わった。


そして、何よりも画期的だったのは、出張所クラスの店舗の代わりに、海渡はこの異世界初の自動販売魔道具・・・面倒だから自動販売機を作成し、それで岩塩と砂糖の量り売りを行う事にしたのだった。


この自動販売機は時空間倉庫とお金のレジに使ったお金のカウンター部分を組み合わせ、魔動CPUで制御し、塩や砂糖を排出口から出す仕組みとなっている。


なので、ある程度の小さい集落レベルでも小さいスペースを買い取り、設置する事が可能になった。


この結果、飛行機や店舗やカフェのみならず、自動販売機でもカイト印の『さえじま商会』は名をワンスロット王国全土で知られるようになったのだった。


店舗数も増え、ワンスロット王国内に57店舗(+オープン準備中16店舗)、カフェは15店舗(オープン数)、ラピスの湯は4店舗(オープン数)となり、親子宿泊型託児ルームは17都市に増えている。


王都の方も、トリスター同様の一体型大型施設(従業員宿舎+孤児就業支援施設+シングル親子支援施設+託児ルーム)となり、同型も3都市に増えた。


また、店舗のある57都市+準備中16都市の孤児院には定期的に支援する様にしており、結果色々な相乗効果もあったらしい。


結果、このデスマーチ期間中に、従業員数は一気に膨れ上がり、2578人になった。また就業支援に入った孤児数は、238人まで膨らんだのだった。




元の世界で考えれば、既にそこそこ大会社の社長と言っても、過言じゃないレベルなのだが、本人には全くその気負いも、変な自惚れも無い。

2578人も居ると、人件費だけで大変なのでは? と思うかもしれないが、一月辺り白金貨10枚(10億円相当)で事足りている。


10億円と聞くと海渡でも大金と認識するのだが、白金貨10枚と言うと、「なんだ、ガチコンブ5体か・・・」と言う認識なのである。


トリスター本店の月の純利益だけで、十分全員に給料を支払えるので、気が楽と言う事もある。(実際この10倍でも余裕)




そして最近の海渡の悩みは・・・棟梁達の仕事が益々早くなってしまい、

「よし、どっちが早いか競争だ!」

ってガンガン追い付いて来ようとしている事。


これ、マジで勘弁して欲しいwww

地下工房を更に拡張して、作り置きを置いてるけど、目標が見えるせいか、益々闘争心に火着いちゃって・・・orz


なので、解決策を考えた結果、棟梁達に本格的に魔法を教え、棟梁達に全部建設させようと思っている所である。

そうすれば、仮に『さえじま商会』としての建設ラッシュが終わっても、需要は大きくなり、食うに困る事は無い。



そうそう、空港の方は、トリスター、王都、テリラス、サルバドルにロビーも設置し、いつでも運航可能な状態になった。

コーデリア王国のサチーさんからは、あと数日であちらのロビーも完成との事。


ちなみに、海渡とフェリンシアは、新しいゲートの応用技を身につけた。

ゲートの応用技とは、魔動波ビーコンを感知し、その魔動波ビーコンの位置にゲートを繋ぐ事で、これにより、まだ行った事の無い場所でも座標を特定できる様になった。


更にフェリンシアは、海渡の指導で各店舗の土台作成と設置後の融合が出来る様になったので、空港の滑走路作成や、格納庫、管制タワー、ロビーの設置、更に店舗セットの設置等まで2人で手分けする事が可能となり、大幅なスピードアップとなった。



そして明日は、諸々の報告も兼ねて、正式に王都の王様へ謁見し、報告する事となっている。

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