第114話

 何やら岩塩販売コーナーで揉めてる様子。


 スタッフルームのドアから出て、従業員にドアの看板をクローズに裏返し、ショーウィンドーのライトを落とすように指示する。


 他のスタッフを手招きし、何を揉めているのかを聞いた所、アレスター商会の人が、塩を買い占めるから全部売れと言ってるらしい。

 オスカーさんが、それは出来ないと対応しているのだが、諦めないらしい。


 そこで、オスカーさんに、目で俺が出ようか? と合図すると、頷いた。


「お客様、閉店時間を過ぎておりますが、何かトラブルでしょうか?」

と声を掛けた。


「あん? 何だガキ! 今こいつと話してるんだよ。向うに行ってろ!!」

とほざきやがった。


「あ、お客様、お客様とお客様の所属する商会、その全ては当店では出入り禁止とさせて頂きます。

 当店にはお客様の様な方は不釣り合いです。

 どうか場末の飲み屋でも当たって下さい。」

と頭を軽く下げた。


「おう、誰に歯向かっているのか判っていってるのか、坊主!

 アレスター商会の総番頭やってるスイード様だぞ!デニッチ様の代理で来てるんだぞ!!」


「私がこの商会の会長やっているカイトです。

 と言う事は、アレスター商会は、当商会の営業妨害をし、営業時間を過ぎても居座り、恫喝をしていると言う事ですね?

 それを指示したのがアレスター商会のデニッチさんと言う事ですか。判りました。」

と合図を送り、スイードを取り押さえた。


「ぐっ何しやがる!!!! ただじゃおかねーぞ!!」

と5歳児に組み伏せられて、呻きながらも騒ぐスイード。


 直ぐにスタッフ2人が、衛兵の詰め所へ走り込む。

 5分ぐらいで、衛兵4名と騎士団長のサナトさんが駆け込んでくる。


「お久しぶりです。カイト殿。」


「お久しぶりです。サナトさん 実は営業妨害して営業時間が過ぎても居座り、恫喝する賊を取り押さえまして、首謀者の名前を今自白したので、そちらも取り押さえて欲しいのですが。」


「ほう、主犯が居るのですね。何処のどいつですか?」


「アレスター商会の会長のデニッチと実行犯が自白しました。」


「おい、聞いたな! こいつを縛って連行する。

 あとはデニッチも捕まえに行くぞ!」


 目でオスカーさんに合図し、コビーした水晶記憶体を持ってこさせる。


「あ、これがアレスター商会の総番頭スイードが、デニッチ会長の命令で犯行に及んだと自白したシーンの映像と音声の記録です。」


「おお、これがあれば、デニッチも確実に投獄出来るなw」


「では、お手数ですが、宜しくお願い致します。」

と頭をさげる。


 店の中は、拍手喝采!!

 同じくコピーした物を持って、商業ギルドのダリルさんの所に持って行き、アレスター商会を告発する事とする。


「と言う事で、ちょっとオスカーさんと商業ギルト行ってくる。遅くなってて悪いけど、閉店をカッチリやっておいてくれる?」

とスタッフへお願いして、オスカーさんと急いで商業ギルトへ。


 商業ギルドはまだ開いており、受付嬢にダリルさんへの面会を大至急と言ってお願いする。

 程なく部屋に通され、状況を説明し、違法な行為を会長の指示でやったと言う証拠を提出し、告発を行う。


「うむ。これだけ明白なら、完全に商会としてはアウトだな。おそらく商会ギルドの会員資格剥奪になるだろう。」

との事。


「お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。」

と頭を下げ、更に


「あ、昨日はオープンに来て頂いて、ありがとうございました。

 お陰様で良いスタートが切れました。」

とお礼を言ってギルドを出た。


 帰りながら色々話を聞くと、あれを2時間程やられたらしい。


「しかしナイスな登場でしたよ!」

とニヤリと黒く笑い親指を立てられた。


「ふっふっふ。アレスター商会も、ドラーツ公爵家も世のため人の為に叩き潰してやるぜww」

と黒い笑みで返す。


「「はっはっはっはw」」と笑いながら屋敷に戻った。



 帰ると、みんな食事をせずに、待っててくれた。


「あ、先に食べててよかったのに・・・でもありがとう。」

とお礼を言って、食事にした。


 食事の後にヨーコさんも交え、お茶とデザートのプリン(←みんなにも配ったよ)を食べながら、報告を聞く。

 ・宿舎の方は明後日には完成する。

 ・まだ他に作る物はねーか!と棟梁に言われてる。

 ・面白い事には噛ませろ!と棟梁に言われてる。

 ・本気だからな!と棟梁に言われてる。

 ・現在、カフェの方の調理スキル持ちが4名まで確保出来たので、そろそろ、

  研修をさせたい。

 ・昨日と今日の売り上げが凄い事になってます。

 ・サトウキビの在庫が半分になりました。そろそろ補充を。

 ・明日サチーさんが送ってくれとの事。

 ・領主様から「おう、やっぱりか!任せろ!」との伝言です。

 ・今日は昨日の1.5倍のお客様がご来店され、対応が間に合わない状態でした。

  店員を増やします。


 ふむ。棟梁、面白いじゃねーかwww

「っていうか前半ほぼ棟梁じゃんw まあそういうの好きだけどねw」

と一頻り笑った後、


「構想段階だけど、面白い事は考えてるから、許可取れたら、是非って言っておいてね。研修の件は判った。

 一度目の前で作り方を見せて、訓練してもらう感じで行こう。既にレシピは作ってあるし。

 売上って、どれくらいになったの?

 サトウキビの在庫の件、了解。冒険者に依頼だす? マジックバッグを貸し出すとかで。

 あと、明日、サチーさん何時ぐらいって言ってた?

 明日、アルマーさんに話あるので、合いに行ってくる。

 早急に店員増やして上手く休みが取れるようにしてあげて! 体壊したら元も子もないからね。

 ハチミツ渡しておくから、毎朝ハチミツ水飲んでね。」

と答えながら、更に質問すると、ヨーコさんは、


「ええ、本当は棟梁もっと沢山言ってました。

 その・・・カイト様がとても気に入ったご様子で・・・それはもう・・・。」

と苦笑いしていた。


 研修は明後日ぐらいに予定に入れて置いて欲しいくれと。

 売上の件だけど、初日が、ザックリ白金貨22枚(端数切捨て)で、本日はまだ集計中らしいが、ザックリ白金貨30枚ぐらいだろうとの事。

 あと、砂糖の件は、当分はサトウキビと砂糖を結び付けられると嫌なので、海渡とフェリンシアでやれ!とのお達しだった。

 うむ・・・人使いが荒いw


 サチーさんは、おそらく11時ぐらいの予定ではないかとの事。


 従業員の増員は、大至急で考えているけれど、そのまますぐに使える訳でもなく、多少の訓練が必要なので、困っているらしい。


 最近は地下工房に籠もったり、遠方に出掛ける事が多かったので、気になっている避難民キャンプや孤児院の様子を聞いて見たが、難民キャンプは余り良い状態では無いらしい。

 孤児院は一時期の危機状態は脱出しているとの事だった。


 なので、

「食糧とか、衣類とか支援出来る物は売上から10%ぐらいは使っても平気だから。

 もしもの際はドンドンやっちゃって良いからね。」

とお願いしておいた。


「あと、例えばだけど、借金奴隷とかってのも使える人いるんじゃない?」

と従業員の補充の件で思い付いて提案してみたら、なるほど!と頷き、検討してみるとの事だった。


「カイト様、先ほどの話・・・領主様に合いに行くと言う事は・・・もしかして?ですか?」

と察したオスカーさんが聞いて来た。


「ふふふ、ちょっと2人とも、10分だけ地下工房に来てくれる?」

とほほ笑みながら、お誘いする。


 して、地下工房にで、アイテムボックスから機体を取り出した。


「じゃじゃーーん! これが世界発の飛行機です。初飛行成功しました。改良点もあるから、もうちょっと掛かるけど、これはこれで行けます!明日アルマーさんに見せてこようと思ってるだw」

とお披露目。


「おおお!!これですか!小さいですね。私達も乗れます?」

と言うので、


「大人には狭いと思うけど、乗れるよ? 今は室内だから飛ばさないけど、中を見る?」

と後部ハッチを開けてみる。

 頭をかがめ、がらんどうの骨組みを歩き、コクピットから覗いている。


「これで、どれくらいのスピード出るですか?」

とヨーコさん。


「これはプロトタイプだから、なんとも言えないけど、最高で1時間900kmぐらい進む感じ。巡行スピードだと750km前後だね。

 ここからコーデリア王国の王都だと、1時間半くらいかな。」

と言うと、2人共驚いてた。


 まあ、明日アルマーさんに計画が無事進行中と伝えたいからね。ふっふっふ。


 楽しいな 異世界。


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ちょっと文面的に、酷い所が多かったので、筋や内容は変えてませんが、読みやすくしてみたつもりです。

毎度、稚拙な文章が多く、申し訳ありません。

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