第101話

 はっちゃけ海渡君の爆買いツアーは、続く。


「ん?この匂いって、お好み焼きかよ!おー、関西風のお好み焼きか!!」

と鼻孔を擽る匂いの素を探す海渡。


「発見!! ドロスさんも要る?」

と聞いたが、あきれ顔で手を横に振られた。

 ふむ・・・解せんな。


「じゃあ、おっちゃん、2つ頂戴♪」

と買って、フェリンシアと試食。


「鰹節も青海苔も、ちゃんとあるんだ♪」

とお好み焼きの上でユラユラと踊る鰹節と青海苔を見て猛烈に感動する海渡。

 まるで生き別れた兄妹と20年ぶりに再会した様な喜び様であるw


 美味しかったので、これも迷い無く爆買い!

 すると、焼くのに時間掛かるから、今ある50枚で勘弁してくれと・・・。

 取り合えず、50枚分のお金を払い、収納しました。


「いやぁ~ ドロスさん、コーデリア王国って素晴らしいですね!! とても美味しい♪」

と上機嫌で言うと、


「あー・・・お褒め頂いて嬉しいんだが、君、それ食い物だけをさしてるよね?

 ハハハ・・・」

と乾いた笑いで言われちゃった。


 更に3件(焼きそば、焼きトウモロコシ、おでん屋)の屋台を食い荒らし、やっとサチーさんの居るロデム商会へ到着。


「ここまで連れて来てくれて、本当にありがとうございました。助かりました。」

と挨拶すると、


「あ、いや、なんか、お別れみたいに言われてる感じするけど、俺も一緒に合うからね?」

と返されたw


「あ、それはそれは・・・なんかコーデリア王国が美味しすぎて、テンション上がってしまって・・・失礼しました。」

と頭を下げた。


 商会の人にドロスさんが、

「サチーいる? お客連れて来たんだけど。」

と言うと、


「あ、ドロス様、ご無沙汰しております。呼んで参りますので、どううぞこちらでお待ち下さい。」

と応接室に通された。


 暫くすると、

「おう、ドロス、おひさー」

と軽い感じの美人のエルフさんがやってきた。


 ドロスさんが、俺たちを紹介してくれて、自己紹介をし、サンドラさんからの紹介状を手渡した。

 暫く読んでいて、大爆笑するサチーさん・・・ サンドラさん何書いたんだ?と・・・


「なるほどね、で、君がそのカイト君か。 サチーだ宜しく頼むよ!」

と、軽い。


「あの、さっきの紹介状、何が書いてあったんでしょうか? 凄く気になるんですが・・・」

と聞くと、


「いや、大した事じゃない、君の話だけだよ。」

と・・・いや、だからそれが気になってるんですがね・・・


「まあ、良いか。

 で、本題です。 お米・・・美味しいお米と、醤油、味噌、お酒、酢、味醂、あれば豆腐、鰹節、なんか色々大量に売って下さい。m(__)m」

とお願いした。


「ん?大量ったって、どれくらい欲しいんだ?」


「お米はそうですね・・・出来れば1トンでも2トンでも3トンでも構いません。そちらの都合や、市場の具合もあるでしょうから、無茶に買い占めようとは思ってません。迷惑にならない程度で良いです。」

と言うと、


 思案しながら、

「そうか、最高級の『たける舞』と言うお米が 2トン売れる。

 そして、醤油は3トンかな・・・

 味醂は 2トンで勘弁してくれ。

 酢は1トン

 豆腐あるぞ! 納豆もあるぞ! でも日持ちはしないけど、それでもいいのか?

 味噌も2トンなら売れる。

 鰹節? 出汁を取る物かな? それならあるぞ。2トン売れる。

 お酒なぁ・・・これどうだろう・・・そこそこ良い酒なら10樽。

 最高級なら2樽だな。

 どうだ?」

と聞かれ、


「全部で幾らになりますか?」

と聞くと、


「ちょっと待って計算させる」

と指示していた。


 暫くして、計算書を持ってきて、値段を見ると、安かった。

 全部で金貨11枚大銅貨33枚 らしい。 まあ買うなら金貨11枚にまけてくれるらしい。

 速攻で金貨11枚を渡し、契約書にサイン。

 量が量なので、夕方まで待ってくれとの事。


「しかし、これだけの量、どうやって持って帰るの?」

と聞くので、


「ああ、アイテムボックス持ってるんで。」

と答えると、滅茶滅茶食いつかれた。


 で、サンドラさんの話から、魔道具と商会の話になり、商業ギルドカードと魔道具ギルドカードを見せたら、驚かれた。


「店がオープンしたら、商品一度見せにきますよ。」

と約束した。


 待ってる間に観光したいので、

「何処か食事の美味しい店ありますか?」

と聞くと、何軒か店を紹介してくれた。


 寿司屋があったのには、驚いた。 是非そこに行きたい!!! とお願いし、地図を貰った。


 寿司屋に行きました。ええ、回らない寿司屋です。

 もう、久々の寿司、それも今までの人生で、一番の美味しさに泣いたね・・・。


 ちなみに、ワサビもガリ(ショウガ)も、この世界にあるようです。


 余りの美味しさに涙を流していたら、寿司屋のエルフ大将が、

「あれ、なんだ坊主・・・ワサビ効き過ぎたか?」

と心配してくれた。


 なので、

「いえ、久々のお寿司と、その美味さに、思わず涙がw」

と笑うと、



「そうかw 安心したぜww」

と笑ってました。


 巨大なシジミ汁も最高に美味しかったです。

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