第100話

 そして、海渡とフェリンシアは、ドロスさんと言うエルフお兄さんのお陰で、無事に場内へ入る事が出来た。


 と言う訳で、あらためて、ドロスさんにお礼を言い、自己紹介。


「助けて頂き、ありがとうございました。

 私はワンスロット王国 トリスター領で冒険者をやっております、カイト、こちらはフェリンシアといいます。

 お米を買いたくて、観光を兼ねて絶界の森を越えてやってきました。」

と言うと、ドロスさん絶句。


「え? 君ら二人でやって来たのかい?」

と聞くので、


「ええ、子供ですが、これでもそこそこ強いんですよ?」

と答え、更に聞いてみた。

「ところで、ここがコーデリア王国と言うのは判っているのですが、何と言う所なんでしょうか?

 サンドラ・フォスティニアさんから手紙を預かってまして、コーデリア王国の王都のご家族へと手紙を渡す事になっているのです。」

と付け加えた。


「え?え? サンドラ?

 すまない、自己紹介がまだだった、私の名はドロス・フォスティニアと言う。

 サンドラ・フォスティニアは私の妹だよ。」

と、笑う。


 おお!! なんと都合の良い、流石です女神様www

 早速、手紙を渡した。


 すると、

「ああ、懐かしいサンドラの字だ」

とお兄様。

 更に、

「ここはコーデリア王国の王都だよw」

との事。


「おお、デカそうな所を見つけてやってきたら、王都とは、何とラッキーなw」

と喜ぶ海渡。


「すいません、ついでに教えて頂きたいのですが、サンドラさんから、ロデム商会のサチー・ロデムさんへ紹介状を頂いておるのですが、ロデム商会の場所を教えて頂けませんか?」

と言うと、


「なんだ、サチーの所に行くのか、じゃあ私が案内してやろう!」

と着いて来るように言われ、朝の町を歩いて行く。


 通りには、屋台が沢山出ていて、懐かしい匂いが鼻を擽る・・・

「ドロスさん、ちょっと待ったーー!!! こ、この香ばしい香りは・・・焼きお握りか!!!」

と屋台に張り付く海渡。


「うおーーーー!!! おじさん、今あるの全部頂戴!!」と大人買い宣言。

「え? ぼうず、これ50個ぐらいあるが、本気か? 1個銅貨2枚だが、50個だと・・・えっと」


「50個で銀貨1枚 ですよね?」

と即答。


 銀貨1枚を渡すと・・・

「坊主、これ何処のお金だ?

 コーデリア王国の金じゃねーな・・・これは使えない」

と・・・。


 あ、硬貨が違うのか・・・想定してなかった。


「ドロスさん、すみません、ここの硬貨ってどんな物か見せて貰えますか? もしかしたら持っているかも知れません。」

と言うと、

「取り合えず、ここは私が先に払っておくから」

と銀貨を出してくれた。


「ふむ・・・それがコーデリア王国の銀貨か・・・」

 アイテムボックスを見ると、今まで、詳細不明だった銀貨が『コーデリア王国の銀貨』と出ていた。


 あ、それ、持ってます。と 取り出してドロスさんに銀貨1枚を返す。

 ちなみに、銅貨と大銅貨、金貨を見せてもらったら、結構な枚数持っておりました。

 不明な白金貨 が3種類あったので、1枚づつ取り出して見せると、驚きつつも、「こっちがコーデリア王国の白金貨だよ」

と白金貨を持っている事を驚かれつつ、教えてくれました。


 と言う事で、コーデリア王国の貨幣は、

 白金貨・・・527枚

 金貨・・・・4381枚

 銀貨・・・・7131枚

 大銅貨・・・442枚

 銅貨・・・・223枚


 とまあ、凄い金額持ってました。

 オークの蔵、恐るべしです。


 手渡される焼きお握りを、ドンドン収納し、次の屋台へ・・・。


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 この時、まだ海渡は知らなかったのだが、実は一般的な交易が無い為、使えないと思っていたワンスロット王国のお金だが、所定の場所でコーデリア王国のお金へ、両替する事も可能であった。勿論手数料は取られるが。

 そして、冒険者ギルドカードや商業ギルドカードの口座のお金は、どの国でもそこのお金(硬貨)として、引き出す事も可能であった。つまり、価値としては世界共通と言う事らしい。

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 どうやら、おでんの屋台。ここれも寸胴を取り出し、全部買った。


 次の屋台は、うどんじゃないか!!!!!!!

 これは、どうするか・・・器ごと全部買っちゃう? とテンションMax


 フェリンシアさんは買った物を横から手を伸ばし、両手に持ってムシャムシャ食べてます。


 結局、寸胴に汁を売って貰い、麺を買い占め、具も買い占め、後で自分で茹でる事にした。


 屋台のエルフのおっちゃんは、

「いや、100年商売してて、初めてだよ・・・」と。


 今度は、蕎麦の屋台発見!!!!!

 その場で、最初の1杯を食べつつ・・・蕎麦の屋台のも買った!!!全部。

 蕎麦ののど越しと、その汁の出汁が最高である。


「ああ、久々だーー♪」

と感激。


 爆買いツアーはまだまだ序の口。

 彼方此方に引っ掛かりながら、ドンドンと屋台を買い荒らす海渡達。

 それを呆れつつ見守るドロスさん。


 そして、ついに発見!!! 異世界ラーメン屋。

 しかも匂いからして、豚骨ラーメンでっせ!!!


「あ、おっちゃん!、固麺で2杯 あ、ドロスさんも1杯如何です?」

と聞くと呆れられた。お腹一杯だそうだ。見てるだけで・・・。


 食べてみたら、これまた美味いのなんの。


「美味い!!!! 久々のラーメン最高!!」

と半分泣きながらハフハフと麺をすすり、スープを飲む。


 厳ついエルフのおっちゃんに頼み込んで、明日も来るので、明日までに この寸胴一杯にスープ作って売ってくれ と土下座の勢いでお願いした。

 麺も欲しい 焼き豚も とお願いした。泣いて・・・。


 そうしたら、

「しょうがねぇなーー。特別だぞ!」

と承諾してくれたので、金貨1枚を渡した。これで足りますか?と。


「おう、十分だ!」

と答え、明日の朝、同じぐらいの時間に来る事を約束し、判れた。



 ≪ピロリン♪ 新しい称号:異世界からの爆買い王 を取得しました。≫


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