第91話
さあ、午後の仕事の始まりです。
オスカーさんに、領主様が見えたら、呼んでと言って、地下に籠ってガラスの作成。
採取した原料から、ケイ酸を抽出し溶かした液状のガラスを1cm厚になるように四角い空間に垂らして冷却魔法で一気に芯まで均一に熱エネルギーを取る。
この方法のお陰で、冷却で結晶化する事なく、綺麗で済んだガラスが出来ます。
これを繰り返し、ショーウィンドーの表側のガラスが完成。他の窓の分のガラスも完成。
ディスプレイケースの上面と側面のガラスも完成。
全部のガラスに、カイト印の刻印を入れます。
≪ピロリン♪ スキル:錬金Lv4を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:造形Lv3を取得しました。≫
各ガラス表面に光魔法で、汚れ防止と耐衝撃性、非破壊のコーティングを掛けました。
これで、いつでも汚れ知らず・・・な筈。
完成したガラスを店舗1階のショーウィンドーから、時空間魔法で縮小して溝に嵌めていきます。
2階のショーウィンドーのガラスも同様に嵌めます。
窓のガラスも嵌めました。
ディスプレイケースのガラスも嵌めました。
以上、ガラスはほぼOKです。
ちょっといたずら心が芽生え、再度地下室で内装の壁サイズのガラスを数枚作ります。
真空の空間にガラスを浮かせ、その下で、火魔法の熱を使って銀を気化させガラスの裏面に蒸着させてみました。
思った通り、良い感じに鏡になってます。銀が酸化しないように表と裏面両方をコーティングして、巨大鏡の出来上がり。
これを10枚程用意。
店舗に戻って、トイレ、スタッフルーム、ストックルームの扉以外の壁に鏡を敷き詰めてみて、オスカーさんを呼んで感想を聞いてみました。
「こ、これは、凄い。絶対に話題になりますよ。外から見ると、店内の奥行が判らない感じで広く感じます。これは凄い!!!」
と絶賛。
大工のおっちゃんや、職人のおっちゃんもやって来て、驚いてくれました。
丁度、鏡の前で和やかに会話してると、アルマーさんの馬車が到着。
ショーウィンドーのガラスを見てニヤリと笑い、店内に入ってきました。
「いらっしゃいませ。」
オスカーさんへとお辞儀をして出迎える。
そして、店の奥の鏡を見て、
「おおおお!!!」
とオスカーさんが叫ぶ。
やはり、最初にもの凄く奥行がある様に見えたそうだww
(そうなんだよね、昔とあるゲームセンターで鏡張ってあったのに気付かず、凄く広い店内と思って、テンション上がったんだけど、鏡にぶつかった事あるんだよね。)
鏡で一しきり、はしゃいだ後、エスカレーターへ案内した。
登っては降り、登っては降り、登っては降り・・・5回ぐらい嬉し気に繰り返して、
「カイト君、これは良いな!絶対にウケるぞ!」
と絶賛してくれた。
更に屋敷へと向かって、テントを見て貰う事とする。
・・・そこで、ハッとする。そう、まだ俺も現物を見てない。
なので、正直に、
「すみません、朝の一件で現物確認の前に飛び出したので、私もまだ現物観てないので、もしかすると、少し変更が入るかも知れません。」
と、予防線を張っておいた。
応接室にお連れし、紅茶を出して、その間にオスカーさんに現物一式を持って来て貰う。
折りたたんだ状態はA3サイズで厚み15cmの袋に支柱まで一式入る。
「ほう、畳むと小さいな!」
と持って重さも確かめる。
「では、実際に庭で建ててみましょう。」
と庭に移動し、袋から取り出し、ペグの代わりに、トレントの小枝を尖らせ、地面に縫い付けていく。指示通り、6角形。
地面に全ての角を固定したら、ポールを組立、入り口を開け、ポールを屋根の頂点にセットして完了。
中は広々、組立は簡単。 オプションで中のグランドシートも付ける事が出来ますよ と。
大体、大人4~5人が寝れる大きさになっている。
「これは我が領主軍にも欲しいな。」
とのお言葉。
これを避難民用にへ取り合えず200セットぐらい出す予定にしてます。
避難勧告が終了したら、そのまま領主軍で使うのは如何でしょうか?と提案。
「良いのか?」との事なので、「はい」と了承。
あと、今夜は遅くなりそうなので、夕食はこちらで食べてから、戻る事を伝えた。明日からはこちらに移るとも伝えておき、今までのお礼を言った。
「そうか、寂しくなるな・・・」
と若干トーンは下がっていたが・・・。
取り合えず、アルマーさんは、全体的に上機嫌で帰っていきました。
オスカーさんに、親指を立てて、テントの出来栄えを褒める。
生地もあれでOKであることを伝える。
出入口の留め具も、あんな感じでOKとし、あとは、最後に生地にコーティングと、ロゴマークの印刷をする事を伝えた。
屋敷に戻って、ホールに行き、改めて、自己紹介と挨拶をしておいた。
さてと、今度は庭に出て、カフェを作成する事にする。カフェの1階は板張り。
サイズを計測し、土台となる部分を地下10mまで土魔法で10cm程地面より持ちあげて固める。
そして地下工房で約1時間、柱や梁の作成に勤しむ。
次にウッドデッキ用の角材を、トレント丸太から大量に切り出す。
カフェ予定地に戻り、柱用の穴に次々と柱を挿して行く。
店の回りのウッドデッキのフレームも作り、切った板を嵌めて、ウッドデッキを作っていく。
次は梁を時空間魔法で差し込んで行き、柱と柱を繋いでいく。
柱と柱の間に筋交いを入れ、強度をアップし、一気に各面の壁を真っ白で作って行く。
2階部分に上がり、床板の補強材を入れ、その上に土魔法の薄く軽く固い物を敷き詰める。壁には店舗側同様に断熱系で、表面がツルツルの真っ白な内壁を生成していく。
1階も同様に内壁と床板を作成していく。
ここまでで午後4時半。
急いで、地下工房で屋根のスロープを作成し、カフェに戻って屋根のスロープを設置する。各柱にカッチリ溝が嵌まりスロープのフレームが完成。
一気に一枚物の長い『ヘ』の字の屋根を作る。色は濃い青で統一した。
壁と屋根の隙間を埋めて、本日の作業は終了にしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます