第92話

 さて、弱ってる調理師さんに代わり、夕食も作成します。


 柔らかいミノタウロスの肉を使ったシャリアピンステーキと、ポトフにするかな。

 お米あるなら雑炊が良いだけど、もうそれ程残ってないし・・・。

 いや、マジで醤油とお米は冬の前に欲しいです。


 あ、魔道具ギルド サブマスターのサンドラさん!!! あの人エルフだからコーデリア王国に伝手ないかな?

 明日でも行って聞いてみるかな。


 と言う事で、ミノさんの美味しい肉を叩き、玉ねぎのみじん切りに付け込みます。

 面倒なので、壺の中に玉ねぎのみじん切りを入れて、肉をぶっ込みましたw


 今度は寸胴に、ミノさんのお肉と洗った骨塩、胡椒を入れ、ネギを入れ、グツグツ煮込みます。勿論時短空間を利用してます。


 何回か灰汁を取ります。


 味見すると、良い出汁が取れてるので、骨を出し、肉をブロックに切り分け、大き目のジャガイモやキャベツ、ニンジン、ソーセージ(自家製)を入れ、岩塩で味を調え、日本酒と醤油を隠し味として入れました。


 そして、時短で煮込みながら、灰汁を取り、一応完成かな。

 そこそこ美味く出来たと思いたい。


 替えの洋服や布団等を買いに行ってくれていたヨーコさんが戻ってきました。


「色々頼んで申し訳ない。」

と謝りつつ、新規参入の4家族とアニータさん家族の分の布団も買えた事を聞き、ホッとしました。


 各部屋へ布団と着替えを渡し戻って来たので、夕食は何人分必要かを確認しました。

 基本住み込み以外の人は夕食は帰って食べるそうなので、新規組を入れても今夜は約12人分で良いらしい。俺とフェリンシアの分を合わせると、14人分か。


 裁縫部隊も既に本日は上がって帰ったらしい。

 と言う事で、ステーキ14人分を一気に焼いて行く事にします。


 漬け込んだ肉を出し、綺麗に玉ねぎのみじん切りを取って、フライパンにバターを投入し、肉を2枚づつ入れ、蓋をおいていきます。それを7セット。


 時々バターの汁を肉の上から掛けていきます。


 下面に焼き色が付いたら、ひっくり返し、またバターの汁をうえからかけます。7セット同時だと絶えずどれかを弄ってる感じで、落ち着かない。

 手の空いてる人に頼んで、ポトフを更に盛り付け、パンを出してもらい、みんなを呼んでもらう。


 ステーキが焼き上がり、更に盛り付け完了。 みんなで、いただきます。


 玉ねぎのエキスで更に柔らかくなったミノタウロスのステーキは、最高でした。

 食後のデザートには、スィート・ピア(梨)は冷やしただけで、更に美味しくなってました。


 そしてようやく、アニータさんを含む5家族11名は体力も気力も戻り、新しい生活の実感と希望が湧いて来たようででした。

 あ、ヨーコさんが、赤ちゃんのオムツとかも仕入れて来てくれたようでした。

 そこまで気が回らなかったので、GJでした。


「お風呂に入って疲れ取ってね。」と伝え、領主様の館へと戻りました。


 色々で、今日行こうと思っていた、教会や何か色々な事が抜け落ちてたのに気付き、ちょっとショック。


 アルマーさんや、皆さまに、明日から向こうへ移る事と、今までのお礼をしたら、リーファさん、サイファさん、ララーさんには泣かれちゃいました。


 ミリティカさんも、目に涙を溜め、改めてお礼を言われました。


 テルマーさんは、

「そうか、寂しくなるな・・・せっかく歳の離れた弟が出来たようで嬉しかったんだが・・・」

と言われました。


「まあ、と言っても歩いて30分ぐらいの距離なので、いつもで遊びに来て下さい。」

と言っておきました。

(しかし、リーファさん、サイファさん、ララーさん辺りは毎日来そうで、ちょっと怖いですが)


 そして、お風呂に入り、暫くお世話になった、領主様の館の最後の夜を過ごしました。

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