第21話

列車の中で声を殺して泣いた。

それでも抑えきれない程の想いが溢れた。


真紀は俺のことをこんなにも考えてくれていた。遠距離であることや重荷になるのを嫌っていた。──すべて俺のために。


俺はどうだろうか?真紀のことを真紀と同じくらい考えていただろうか…。

どこまでも続く雪の白さを汚すのが、足跡が付くことを恐れて、雪の中を立ち尽くしているだけなんじゃないだろうか…。


真紀は今の俺をどう思う?

真紀を殺した俺を…。

真紀のことが忘れられない俺を…。

真紀に縛られる俺を…。


……ねぇ、真紀。

真紀はあの時、俺を恨んでいただろうか?

それとも憎んだだろうか?


あの手紙を書いてる時、事故に遭った時、

俺は何が出来ただろうか。


そして


──今、何が出来るだろうか。


……本当はわかっている。

だったら俺は─────


一緒に居たのなら、俺の歳に追いつくための真紀の誕生日が近づいていた。



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