あらすじにある通り、願いを叶える特殊な能力を持つ「先輩」とその先輩が気になっている「後輩」との関係を描いた短編です。
こういう人間関係があって、こういう能力の設定があったなら、ストーリーとしてはこういう可能性があって……という読者の思考を牽引するように話は進み、息つく暇もなく物語は二転三転。この設定で出来ることはもうやりつくしただろうと油断した頃に、まぶしく感動的なラストが待っています。
「先輩」の彼が持つ不思議な能力。「後輩」の彼女が本当に伝えたかった想い。疾走感のある文章と無駄のない展開。冒頭の視点転換も巧み。
そして何より、後輩がかわいい(重要)。
青春を輝かせるギミックが徹底された爽やかな一篇。
おススメです!