とくべつな日
ワタシのご主人様はとても優しいです。
人一倍可愛らしくて頑張り屋さんで、
人一倍心が脆くて繊細です。
さくらさんはたまに暗い顔をしながらガッコーから帰ってくることがあります。
その時は決まってワタシを力一杯抱きしめます。
ワタシは飼い猫なので、この窓の外のことは知りません。
ご主人様を傷付けるものは全て敵なのでワタシが抹殺してしまいたいのですが、そうするときっと優しいさくらさんは余計に悲しんでしまいます。
猫にだってそのくらいは分かります。
だからワタシはいつも以上に身体を柔らかく温かくして、さくらさんに頬擦りをするのです。
さくらさんが今欲しいのはきっと、あったかいものです。
だって、ワタシ達猫も寒いのは嫌いだからです。
寒いと悲しくなります。
だからワタシがさくらさんをあっためるのです。
さくらさんは何故か目から滴を落としました。
何も言わなかったけれど、さっきよりも幾分か優しい顔になったようです。
取り敢えずこれでワタシも一安心ですね。
朝が来るまでずっと側であっためてあげようと思います。
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