第9話中世異世界転生・其の5
「大変なことをしでかしてしまい、なにとぞお許しいただければ」
何とかして立ち上がり、インさんに謝る俺である。それにしてもインさんの大きなおっぱいは柔らかかった。
「い、いえ、タロウこそ、怪我がなくて何よりです」
自分の大きなおっぱいを、散々揉みしだかれたというのに俺の身を案じてくれる。何という理想的な女性だろう。しかも、うっすら顔を赤らめているところもポイント高い。
「それにしても、結婚の条件なんて言うから、どんなことをやらされるのかと思ったけど、大したこともなさそうだね。この神殿も、何だか雰囲気あるし、ちょっとした観光気分だよ」
「ああ、それは……」
俺が言ったのほほんとした感想に、インさんが答えようとすると、俺は後ろに何か恐ろしい気配を感じるのだった。
ガオー!
俺がただならない気配におびえて後ろを振り向くと、そこには大変恐ろしい姿の化け物が叫び声をあげていた。俺の身長をはるかに上回る身の丈の、立派なたてがみを生やしたオスのライオンの顔をしている獣人がそこにいる。
さすが異世界。現実ではお目にかかれないようなモンスターに出会えるとは。ここで、俺が格好良くこのモンスターを退治できれば、チートな異世界生活の始まりにでもなるだろうが、どうもそんなことにはならなさそうだ。
さっきから色々試してはいるものの、すごい魔法の力とか、特別な剣とかが出てくる気配は一向にない。異世界なんだから、それくらいあるかもしれないと思っていたのだが、そこまでサービスはしてくれないようだ。
となると、ここは逃げる以外にないだろう。一刻も早く、インさんと逃げなければ。
「インさん、逃げようよ。あんな強そうなモンスターがいるんじゃあ、しるしなんて手に入れられそうもないよ。俺との結婚なんてあきらめてさ。命あっての物種じゃない」
そんなことを言う俺は非常に情けないが、対照的にインさんはとっても格好いいセリフを言うのであった。
「大丈夫です、タロウ。タロウは何もする必要はありません。全てわたしに任せておいてください。タロウはわたしの後ろにいてください」
俺を自分の後ろに下がらせると、インさんは呪文を唱え始めるのだった。
「
そのインさんの詠唱と共に、大爆発が起きる。
その爆発の破壊力はすさまじく、ライオン顔の獣人はもちろん、インさんの後ろにいる俺まで爆風でふっとばされるのだった。
「わあああああ!」
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