異世界ファンタジーの掟 異世界太郎の異世界あるある

@rakugohanakosan

第1話中世異世界転生・其の1

 ある日俺はトラックにはねられた。


 しばらく意識を失っていた俺だったが、目を覚ますとそこは見知らぬ街並みだった。


 どこからどう見ても現代日本ではない。まず自動車が走っていない。代わりに馬車がそこかしこで、ゆったりと行ったり来たりしている。


 さらに、服装も現代的なものじゃない。ジーンズを履いたり、ティーシャツを着たりしている人なんて、一人もいやしない。周りの人間が来ているのは、世界史の教科書で見るような、中世ヨーロッパっぽいものばかりだ。


 その上、道路はアスファルトではなくて石畳だし、電柱だってありはしない。携帯電話を持っている人だって見かけないし、その辺りに建っている家だって、木と石だけで建てられたような代物だ。


 風景だけを見れば、どこかのテーマパークかとも思えなくもないが、そこにいる人間はどう考えたって、現代の日本人ではない。全員が全員とも、そのテーマパークの従業員という可能性もなくもないが、その場合でもプラスチックとか、そう言った現代文明の利器はあるはずだろう。


 この俺が目にしている世界は、ハリウッドの中世ヨーロッパ映画そのものの風景だ。


 そんな風にあっけにとられている俺に、誰かがぶつかってくる。


「きゃっ」


 ずいぶん可愛らしい悲鳴だ。となると、可愛い女の子だろう。俺の想像通り、その子は可愛い女の子だった。俺にぶつかって地面に倒れてしまったようである。


 どこがどう可愛いかというと、まず何においてもおっぱいが大きい。俺にぶつかってこけてしまった際に、さぞかし盛大にブルンブルン震えてくれたことだろう。


 そして顔もいい。いかにもハリウッドの中世ヨーロッパ映画のヒロインでございと言った、軽くウエーブのかかったセミロングな金髪に、パッチリとした瞳のブルーアイ。鼻すじも整ってて、『鼻が後何センチ高くなくても、歴史が変わってしまう』レベルだ。


 スタイルも最高だ。おっぱいは大きいのに、ウエストはきっちりくびれている。出るところは出て、引っ込んでいるところは引っ込んでいる、という言葉を具現化したようなスタイルである。

 

 そんな可愛い中世ヨーロッパのお姫様みたいな、金髪ブルーアイのかわいい女の子が、俺とぶつかったショックで転んでしまい、俺に向かってあられもない姿をさらしてくれている。


 だが、服装も中世ヨーロッパ風のものであり、スカートは、現代日本ではよく見られるようなミニスカートではなく、わりかし丈の長いものである。自然パンツが盛大にむき出しになることはない。


 はて、中世ヨーロッパのパンツって、どんな感じなんだろう。


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る