第24話 シェインヒールの女神と地球の女神
最近、ヴィアンテ様の様子がおかしい。
簡単に言うとイライラしている。
ブルウッドから戻って3日、俺の『
その日の夕方、そろそろ夕食の時刻だとラマニアが俺を呼びに来た時に騒ぎは起きた。
と言うか、ヴィアンテ様が騒ぎ出した。
「あーーーーっ、もう腹立つぅ!!何なんだ、あやつのあの態度は!?こっちが
とても女神らしからぬ口調でキレ始めるヴィアンテ様。
その出現場所は俺の左肩だから、たまったもんじゃない。
「一体どうしたんですか?ヴィアンテ様。最近特にイライラしてたみたいですけど」
「どうもこうもあるかぁっ!!お前んところのド
今のヴィアンテ様の口調も大概だと思ったが、火に油を注ぐだけだと思い、黙っておく事にした。
要するにヴィアンテ様は俺の世界の女神様と何らかの交渉をしていたらしい。
先日のブルウッドからの帰りの時に聞いた話から察するに、おそらく勇者召喚に関する事で間違いないとは思う。
俺とラマニアは直接その現場を見たわけじゃ無いし、俺の世界の女神様とやらの声も外見もわからないので、ここから先はヴィアンテ様の話を元にしたイメージである。
【ヴィアンテ様の回想】
「お久しぶりでございます。地球の女神、モスティレア様」
「おや、これはシェインヒールの女神、ヴィアンテ様。ご
「
「はて?私にどのような」
「ご存知かとは思いますが、私の世界では時折『
「ええ、そういう取り決めでございましたね」
「今回もそちらの世界から一人、召喚させて頂いたわけですが、このままですと『炎』に対する防衛が完全とは言えません」
「つまり、一人では人手が足りていないという事ですね?」
「はい」
「事情はわかりました。ですが、私にはどうする事もできません。ヴィアンテ様こそご存知かと思いますが、そちらの世界で起こる『炎』とやらを鎮火できる素質をもつ者、その選定は私にはできないのです。逆に、
「仰る通りなのですが……
「それは………まぁ心中お察しはしますが、だからと言って私にできる事は何も………」
「いえ、そこで私がご相談したいのは、この『勇者が見つからない原因』について、モスティレア様に何かお心当たりは無いかという事なのです」
「ヴィアンテ様が勇者を見つけられない原因………ですか」
「はい。今回勇者を召喚するにあたり、モスティレア様の世界を探知させて頂いたのですが、何らかの大きな力に阻まれ充分な探知ができなかった……そのような感覚を味わったのです」
「ヴィアンテ様の探知を妨害する者がいたと?」
「人かもしれませんし、または人ではない何らかの事象、意志、歪みなどかもしれません」
「なるほど………仰る事は理解しましたが、やはり私には………」
「そう………ですか」
「ただ、今のヴィアンテ様のお話を聞いていて、あるいはという仮定の話なのですが……」
「!な、何でございましょう!?」
「もしかしたらそれは………私の世界を構成する『意志の力』が、ヴィアンテ様の世界を拒絶しているのではないでしょうか?」
「モスティレア様の世界が私の世界を拒絶………?」
「ええ。私もうろ覚えなのですが、たしか
「下品………?」
「そうです。まるでその………男女の営みを模したかのような、
「
「まあ!?私が間違っていると!?」
「この件に関しては譲る気はありません!
「な、な、な、何と失礼な!!
「誰が発情女神よ!!男の●●●に●●を●●●●される
「しょっ………!も、もういっぺん言ってみなさいよ、このビッチアンテ!!」
「ビッチ言うな!!この未使用●●●!!」
【回想終わり】
「………………」
「………………」
この、およそ女神とは思えない低レベルな喧嘩の詳細を聞かされた俺とラマニアの気持ちはどこにもっていけばいいのか。
最初の感想がそれだった。
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