第55話 勾玉
次の日の夜も私は屋敷を訪れた。
「これは邪気を振り払う勾玉です。これを持っているだけで、あなたは聖なる加護を受けられます」
私は川辺で拾ってきた石を見せた。
「ただし、これも十五ギーロいただきます」
「ありがとうございます」
ダムは迷うことなくお金を払った。
すっかりダムが信者になったところで私は本題を出した。
「あなたは年貢米を集めることを強いられていますね?」
「はい、そうです」
「でもその必要はありません。今まで通り私の言葉を信じていればその問題も解決するでしょう」
「本当ですか!?」
「本当です。信じる者のみが救われるのです」
「ありがとうございます巫女様」
そのあと私は毎日聖水を飲み、勾玉を崇めるようにいった。そうすれば救われると。
一方モンドはここ最近のダムの様子を部下の探らせていた。
「それでどうだった?」
「はい。最近ダム様は部屋に引きこもりっぱなしで誰も様子は知らないと言っていました」
「そうか。報告はそれだけか?」
「いえ、それと毎晩巫女の格好をした女がダム様の屋敷を訪れているそうです」
「巫女だと?なぜ巫女が毎晩通うんだ?」
「そこまではわかりません」
モンドは報告を聞いて顔をしかめた。
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