第53話 不吉な未来

次の日の夜も私はダムの屋敷に呼ばれた。


「次は俺の運勢を見てくれ」

「わかりました」


私は目を閉じて呪文を口ずさんだ後、奇声をあげて目を開けた。


そして私は震える演技をした。


「どうした?悪いのか?」

「悪いってもんじゃありません。恐ろしくて口にすらできません」


それを聞いたダムは少しのけぞった。


「恐れ入りますが、バラガンという人物をご存じで?」

「お前っ!その名前をどこで!?」

「やはり知っているようですね」

「バラガン様が関係あるのか?」


私は少し沈黙した。これで事の深刻さを演出する。


「いいから言え!バラガン様がどうしたのだ!」

恐怖と苛立ちからダムの口調が荒くなった。


「恐れながら申し上げます。あなたはバラガンという人物が放った刺客に殺されるでしょう。それも一年以内、いや三ヶ月以内です」

「なんだと・・・!?」


「理由は心当たりありますか?」

私はとぼけて訊いてみる。彼に心当たりがないわけない。


「あぁ、ある・・・」


ダムは今にも泣きそうな顔をしていた。


「どうやったら俺は死なずにすむんだ」

「それは私の言う通りにすれば大丈夫です」


「わかった」

ダムは頷いた。


これで私の計画はほぼ完成したも同然だった。

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