第52話 力
私が部屋に行くと、ダムが待っていた。
「この巫女がそうなのか?」
「はいそうです」
ランピは頷く。
「ならまずは俺のことも見てもらうとしよう」
「人払いをお願いします」
私がいうと、ダムは首を使ってランピを部屋の外へ出した。
部屋に二人きりになった。
「悪いが俺はこういったまやかしの類はあまり信用していない。もしイカサマだと分かればお前の命はないと思え」
「承知いたしました」
私は目を閉じ、手のひらをダムに向けた。そして呪文を口ずさむ。
「ぎゃぁっ!!」
奇声とともに私は目を開く。
「あなたには三人の子供がいますね。上から男、女、男。ですが長男は病気がちで寝込んでいる。だからあなたは自分が死んだあと、長男に相続させるか次男に相続させるか迷っていらっしゃる。違いますか?」
「あぁ、そうだ・・・」
ダムは生唾を飲み込んだ。目は大きく見開かれていた。
もちろんこの情報は私が本当に見透かしたわけではなく、事前にマッドに調べさせていた内容をいっただけ。
「長女は最近結婚をしましたね。ですが今すぐ別れた方がいいでしょう」
「なぜだ?」
「その男からは邪悪な気を感じます。たぶん結婚詐欺しでしょう」
「なんだと!?」
「今すぐ離婚することをお勧めします」
これもマッド情報だ。
その後もダムのことをいろいろと言い当てて行ったので、ダムはすっかり私の力を信じたようだった。
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