第18話 ハラミ

「それでハラミってのはどのことだい?」

「ハラミは横隔膜の背中側の薄い部分です」


顔をしかめながらも、私の指示通りに店主は余っていた内臓からハラミを取り出し、焼いてくれた。


「これでいいのかい?」

「はい。でも一応味見してみますね」


彼が焼いた肉をそのまま食べてみる。


「お、おいしい!この味です!!店主さんも食べてみてください」


私が勧めると、店主はしぶしぶ口に運んだ。

「うん、これは美味い!食べたことない味だ!!」


店主は私を見た。

「モモコちゃんはいつこの肉に気付いたんだい?普段なら捨ててしまう内臓なのに」

「えっとそれは・・・」


本当のことを言えないので適当に誤魔化しといた。


「他に腸や肝臓はありますか?それも意外とおいしいんですよ」

「わかった。持ってくる」


その後店主はホルモンとレバーも食べ、とても満足していた。


特にホルモンが気に入ったらしいが、ホルモン嫌いの私からすると理解できなかった。


「では、さっそく新メニューを付け加えてみるとしよう」

店主はすでにやる気満々だ。


そんな店主に私は待ったをかけた。

「ちょっと待ってください」

「なんだい?」店主が訊いてきた。


「私に考えがあります。そしてこの方法ならば今よりもはるかに稼げます」



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