駅構内で〜楽しい想像。

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2005年によそで書いたものの転載です。私はホントに今でも聞き間違いが多いです。

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聞き間違いが多い私の耳の穴、確かに小さいです。


少し前のこと。

朝、出勤途中、電車を降りて歩いてました。たぶん、眠くてボォッとしながら。

すると、ちょっと引っかかるアナウンスが聞こえたのです。

「駅構内で真実を発見した場合は、駅係員までお知らせください」。

蛍光灯のように少し遅れて「ん?」。おもむろに反芻、「シンジツを発見。 なにそれ?」。


さらに少ししてから、ああ、サリン事件以来のアレか、と気づいたのだけど(正しくは真実じゃなくて「不審物」でした)、時すでに遅く、私の頭の中には、駅構内における市民のいろんな真実発見の図が次々と湧き起こっちゃってました。


駅事務室のドアをノックして、「あのぉ、たった今発見しちゃったんですけど…」とか言うと、どうぞどうぞこちらへ、と、奥の「駅構内真実聞き取り窓口」に通されて、椅子に座らされ、メモを取る係の駅員さんに向かって「ずっとわからなかったクイズの答えが今わかりました」とか「彼、やっぱり浮気してるって、今そこで直感しました」とか「どう考えても、ライオンより象の方が百獣の王にふさわしい」とか「今、ふと、父の気持ちがわかったんです」とか「この前も今日も、右膝がうずくなぁと思ったら雨が降ってました」とか、駅構内で結論づけられたありとあらゆることが申告されるのです。

時には、大学の偉い先生が本当にすごい理論を語り始めたりして、担当の駅員には理解不可能ってケースもあるかも。で、毎年、これらの真実をまとめたものが刊行されたりしたら楽しいだろうなぁ。


この聞き間違い以来、「もしかして、真実発見中?」と思われる顔で駅構内を歩いてる人がいたりすると、そこはかとなくおもしろいです。

しかし、マジメな話、自分のことを振り返ってみても、信号や車の流れを気にせずに歩ける駅構内は、実は、けっこうヒラメキがやって来やすい場所かもなぁと思うのです。トイレの次に。

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