読書の、秋〜本屋取り寄せ事件。

******

2006年晩秋の別ブログより転載します。

******

秋も深まり、っていうか、もうそろそろ冬。日も短くて、夕方からもう真っ暗。そんな、この前の帰り道。


X「今日、すごーいアホな話、聞いたわぁ」

Y「なに?」

X「友だちが、本の取り寄せ頼んだんだって。それで、何日か前に入荷したって電話が来て、今日取りに行ったっていうんだけど」

Y「注文間違えて、恥ずかしい本が来てたとか?」

X「違う違う。カウンターで名前を言って、取り置き棚に取りに行った店員が待てど暮らせど戻って来なくて、カーテンの隙間から様子をうかがうと、ずーーっと探してるのが見えたんだって」

Y「名前が間違ってた?」

X「いやいや。すごーく急いでたから、もう一度名前を確認に来た店員にちょっとイライラしながら名前を言って、入荷しましたって電話ももらったんですよ?と」

Y「強気にね」

X「そう。で、店員さんはもう一度棚を1冊ずつ探して、ほかの店員にも訊き回ったりしたんだけど、やっぱりないということになって。本人、待ってる間にその本が店頭にも並んでるのを偶然見ちゃってたから、『電話で訊いたら取り寄せになると言われたからしかたなく頼んだのに、今見たら積んであったので、別にそれを買うんでもいいので、急いでください』と言うと、店員さんは慌てて売ってるヤツを持ってきて、平謝りだったんだって」

Y「それって、偶然同じのあったからいいけど、なかったらホント怒っちゃうよね」

X「うん。しかも、2、3分で済むつもりだったのに10分以上もかかってて、もうこの本屋には二度と来ない!と思ったって」

Y「まあ、アホっていうより、ハラ立つ話かも」

X「いや、そこで終わりじゃないの。その友だち、久しぶりにその本屋に行ったので、あとからふと、そういえばその買った本を入れてもらった袋のデザインが以前と変わってたなぁって思って、もう一度カバンから袋を取り出して見てみたんだって。そしたら、その本屋の店名とまったく関係ないアルファベットが書いてあったの」

Y「え〜、なにぃ? どーゆーこと?」

X「最初は、本人もバラバラに描いてあるアルファベットを一生懸命読みながら、どーゆーこと? って思ったんだけど、そこでハタと気づいたわけよ、実は取り寄せ頼んだのと全然違う本屋に取りに行ってたってことに!」

Y「うぁー、アホ…」

X「ってか、そんな自分に大ショックって感じでしょ~」

  ・・・・・

Y「ねぇ、Xちゃん、今、本屋の袋、持ってるよね?」

X「あ…」

Y「もしかして、今の話って、友だちじゃなくて自分の話なんじゃないの?」

X「あ、バレましたか…」

Y「話、詳し過ぎるし…」


だって、その本屋同士は、すごく近いところにあるんだもん。

っていうか、その本屋には二度と来ない!じゃなくて、二度と行けなくなりました。。。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る