クレージースクール
上条海輝
第1話クレージースクール
俺こと忍が通う男子校の出来事である。
前回までのあらすじ。
ホームルームの時間色々あったのだが、文字数の都合上、省かせてもらう。
詳しくは前作をどうぞ!
まあ、色々あったホームルームがやっと終わり、予習時間が始まった。
この高校ではホームルーム終了後、三十分間予習の時間があるのだが、流石は男子校の皆さん、誰一人として勉強しているやつがいない。
寝てるやつ、遊んでいるやつ様々である。
俺も、うるさい歩が職員室に連行されたので、寝ようとする。
鬼の居ぬ間に洗濯改め、バカの居ぬ間に洗濯だ。
あのバカは事の重大さがわかってないらしく、連れていかれる前に、
「アイルビーバック」とかっこつけて言っていた。
その言葉を言ったら帰って来れなくなる事を知らんのかあいつは。
あの有名なサイボーグも帰って来れなくなるぐらいの、最大級の死亡フラグなんだぞ。
あいつバカだからな、本当に戻って来ないかもしれん。
と、心配しながらウトウトしていると、背中をトントンと叩かれた。
振り返ると歩が立っており、
「あなたが、落としたのはこのかっこいい歩ですか?それともこのイケメン歩ですか?」
と、ふざけた事を聞いてきた。
五分ぐらいしか経っていない、少しでいいから心の洗濯をさせてくれ。
心配して損した気分になり、
「どっちもいりません、燃えるゴミに出しといて下さい」と適当に返す。
「おいおい、俺は燃えるゴミは燃えるゴミでも、萌えるゴミだぜ!」
「なるほど腐ってるって事か、なら生ゴミに出しといてくれ」とまた適当に返す。
「えらく帰って来るのが早いな」と俺が聞くと、
「おう、先生に『お前成績悪すぎ、留年したら殺すからな』って言われた」
あの先生はPTAの事を紙クズぐらいにしか思ってないのか?
「それぐらいなら、教室で言えばよかったのにな」と俺が言うと、
「いや、担当してる先生全員に言われたから、職員室に行かないと無理だ」と何事もなかった様に言ってくる歩。
「それはもう、いじめじゃないか?」と心配する俺。
うちの教師共はPTAと戦争でもするきか?
「だが俺はめげないぜ!」
「いや、めげろよ!何の為に先生全員に言われたと思ってるんだよ」
「男は見栄張ってなんぼだぜ!」とかっこいい事を言う歩。
いや、職員室に呼び出されたやつが、言えるセリフじゃないけどな。
「お前の見栄の張り方は、クレイジーだな」と俺が呆れて言う。
「だいたい、勉強だけで人間決まるわけじゃないしな、勉強できなくて何が悪い」と開き治る歩。
「まったくだ、お前が日本語を喋れるだけで奇跡なのに、それ以上を望むなんておこがましいにもほどがある、頭きた先生達に文句言ってくる」と俺が感動的な事を言うと、
「おお、ありがとう。――あれ、俺もしかしてバカにされてないか?」
バカにされている事すら気づいてなかったのかこいつ。
と、バカなやり取りをしていると、
『二年二組 忍くん――二年二組 忍くん 至急校長室まで』と言うアナウンスが入った。
「おいおい、職員室よりワンランク上の校長室に呼び出しなんて、何やらかしたんだお前?」と心配そうに聞いてくる歩。
「お前と一緒にするなバカ、きっと優等生な俺に賞状でもくれんだろ」
「それはない」と即答してきた。
うん、確かにないな。
だとすると悪いことだ、仕方がない寝てて聞いてませんでした大作戦でいこう。
すると教室の扉が開き担任がやって来て、
「お前の事だ、寝てて聞いてませんとか言うつもりだろう」と言ってきた。
チッ、読まれてやがる。
「やだな先生、そんな事するわけないじゃないですか、そりょり、何で校長室に呼び出されたんですか俺?校長室に行くフラグを立てた覚えがないんですけど」と俺が聞くと、
「それがな、お前が校長の孫娘と遊んでる所を目撃したらし」
なるほど、昨日遊んだ妹の友達の中に校長の孫娘がいたのか、まさかそこが伏線になってようとは、世間は狭いな。
「校長は孫娘にぞっこんでな、毎朝の提示連絡で必ず自慢してくるほどだ」
このバカ担任が言うんだ相当なんだろう、こんな事で停学とかになってたまるか、文部省に駆け込んでやる。
「停学とかになる可能性があるって事ですか?」とおそるおそる聞いてみる。
「それはないな」と先生が言ってくれた。
よかった文部省に駆け込まなくてよくなった。
「たぶん退学だな」
「先生ちょっと待ってて下さい、文部大臣にアポ取ってきます」
なんだかんだやってる内に校長室に行く事になった。
この学校には生徒、教師含めてバカしかいないらしい。
俺は教室を出る際クラスのみんなに「アイルビーバック」と言った。
上条 海輝
クレージースクール 上条海輝 @kaiki730
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