七章 ザンビエル王国
六章のあらすじ
〜これまでのあらすじ〜
生命の賢人により、この世界が人の手により作られた物であると知った勇者シャナンは、自身も作られた存在であると知り、愕然とする。
今の自分が本当に自分なのか、シャナンは疑問を残しつつ、考えても仕方がないと思い、日々の生活を楽しんでいた。
そんな折、街に魔族の影が忍び寄る。
魔族は陽電子の反物質砲“ポジトロンランチャー”を用いてカロイの街に攻撃を仕掛ける。魔族の攻撃により、街は大混乱に陥ってしまう。
魔族は、攻撃を止めて欲しくば勇者を差し出せと街に迫る。
さらに、街にはブージュルクの刺客が入り込み、民衆を反勇者にすべく先導したため、暴徒で溢れ返る。
シャナンは暴徒の群れに勘違いで襲われた少女を助けるため、自らを勇者と名乗ってしまう。暴徒は本当の勇者を見つけ、一斉に襲い掛かってきた。
シャナンは友達のンゲマとアチャンポンと二人で路地裏に逃げ込む。しかし、ブージュルクの刺客に襲撃され、ンゲマとアチャンポンは刺客の凶刃に倒れてしまう。
怒ったシャナンは超越魔法“
しかし、魔法の反動で力を使い果たし、命の危険に晒される。シャナンは誰も守れない自身の不甲斐なさに絶望する。
その時、スキル"猟奇"が発動して"生と死"の権能を持つヤスミンが顕現する。
ヤスミンは自分の権能を発揮して敵味方の区別なく虐殺を始めてしまう。
その状況に対処するため、シャナンはエリカとリン、そしてキョウコと共にヤスミンを止めるために行動する。そして、ヤスミンを制止できたが、衝撃的な事実を告げられる。
シャナンは辛い選択を強いられ、深い闇に落ちていく。
シャナンの意識がなくなった後、キョウコの権能“道理”により、街の常識が書き換えられ、一気に街は沈静化する。だが、魔族は依然健在だった。
その魔族討伐に向かったのが、“光“の権能を持つ”アヤ“であった。
魔族は一人で来た少女を侮る。しかし、そこから先は勇者による一方的な惨殺劇であった。
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〜登場人物〜
“勇者” シャナン
召喚されし勇者の少女。心根が優しく争いごとがあまり好きではない。勇者特有のスキルを幾つか持つ。その殆どは少女の思いと反する凶悪さを持つ。
超越魔法“
“第二騎馬隊長” カイン
王国直属騎士団の第二騎馬隊長。魔族との戦闘経験も豊富で、フォレストダンジョンの魔族討伐の責任者に任命される。
シャナンには優しいが、敵には容赦しない。
“第二王子” アスラン
王位継承権第二位の王子。優秀であるために第一王子派の貴族と裏で対立している。勇者“シャナン”による魔王討伐計画の責任者であり、シャナンの思い人
“鷹爪騎士団長“兼”第三騎馬隊長“ラインハルト
地方貴族の陪審ながら騎士団長に抜擢される程に優秀な男である。カインの留守中に貴族のゴリ押しで、王国直属騎兵隊の隊長に躍り出る。
“重戦士“ トーマス
四人の供回りのリーダー格。理想に燃える若者。シャナンのためなら、その身を惜しまない。酒癖が悪い。
シャナンの信奉者でやっと身体強化の魔法が使える様になる。
“魔法剣士“ ルディ
地方の有力貴族の五男坊。父親の目を盗んで近くの村の子供たちとよく遊んでいた。その頃の名残か騎士道とは無縁な喧嘩殺法を用いる。魔法と剣を両方扱える万能な魔法剣士
王国に隣接する侵略者“マムゴル帝国”を憎んでいる。
“弓使い“ セシル
元冒険者の娘で地方の有力貴族の娘でもある。勝手に家を飛び出して父親を困らせた過去を持つ。四人の供回りの中で一番戦闘経験がある。
有力貴族の娘であり、ラインハルトが仕える貴族の娘
“魔法使い“ カタリナ
元文官の魔法使い。炎の魔法以外に精神に異常を来す魔法も使用できる。世界の理への探究心が強く、下着のような防具を身につける。酒癖が悪い。
時折見せる世間知らずが、皆を不安にさせる。
“組合長“ ダグダ
カロイの街の冒険者組合の組合長。オカバコの街の組合長であるジェガンとは、旧知の間柄
厳つい見た目とは裏腹に、世話好き。ジェガンのことを"ジェガンくん"と呼ぶ。魔族の攻撃に巻き込まれる。
“塾長“カトンゴ
カロイの街で魔法使い向けの私塾を開く老人
元は軍閥であるブージュルク家の家宰だった。引退後、カロイの街で私塾を開く。酒好きの爺さん。
“ダメ人間“生命の賢人
パッと見、ダメ人間にしか見えない。しかし、シャナンたちのいる世界を作った張本人の一人である。正体は不明だが、地球より遥かに優れた惑星出身で、抜群の知性を持つ。
“商店の跡取り“ンゲマ
カトンゴの私塾に通うシャナンと同じくらいの男の子。カロイの街で商店を営む両親から私塾で学んで来いと言われ、勉強している。
シャナンを庇ってブージュルク家の襲撃に遭う。
“ブージュルクからの留学生“アチャンポン
カトンゴの私塾に通うシャナンと同じくらいの女の子。両親がブージュルク家に勤めており、その伝手で元家宰であるカトンゴの私塾に来た。
シャナンを庇ってブージュルク家の襲撃に遭う。
“弓使い“カシム
シャナンが勇者であることを知り、それをネタに、王国騎士団入りした男
嫌味なところをシャナンは嫌っている。魔族に拐われ、勇者の情報を引き出される。カロイの街でシャナンが勇者であることを言いふらす。生死不明
“代理の管理者“リン
シャナンを影からサポートする十二人の一人
他の十二人の力を使い、様々な能力を代理行使できる。
“力の権能“エリカ
シャナンの体を借り、能力を発揮する十二人の一人
“生と死の権能“ヤスミン
シャナンの体を借り、能力を発揮する十二人の一人
“
“道理の権能”キョウコ
シャナンの体を借り、能力を発揮する十二人の一人
“
“光の権能”アヤ
シャナンの体を借り、能力を発揮する十二人の一人
スキル”トンネル効果“や”γ線放射“と言った光が持つ特性を権能として使う。決して希望の光を指し示す勇者でない。むしろ、自分の睡眠を邪魔する奴は、全員殺しても構わないと考えるくらい、自己中心的な少女
〜用語〜
“ブージュルク家“
魔法兵団を擁立する軍閥組織
どこにも属さず、どこにも屈さない諸侯崩れ。
魔法兵団以外に暗殺や人身売買など裏の顔が見え隠れする。
“カロイの街”
マムゴル帝国と魔王軍の国境付近に位置する街
交通の弁が悪く、戦略的な要所では無い。
“勇者”
異世界から召喚された強力な能力を持つ人間
“魔族”
魔王の眷属。一族の仇には執念深く復讐する。
“魔物”
魔族とは別種の生命体。人間に友好的な者もいるが、多くは魔族と同じく人間と敵対する。
“スキル”
個人が持つ特性
“魔法”
世界の理の力を使って放つ超常現象
“魔法触媒”
魔法効果を増幅する道具
“量子テレポーテーション”
量子もつれを使用した情報伝達技法
シャナンのクオリアをデータとしてこの世界に伝送した際に用いた。
“クオリア”
人が主観的に持つ感覚のこと。主観的であり、客観的に言語を使用して表しても完全に同義同意で表せない。この話では人が人を形成する魂に近い意味合いで記載している。
“十二人”
日本で起きた大量殺人事件の被害者であり、シャナンに何らかの形で協力する少女たち
”root権限“
十二人の権能を全て制御できるシャナンにのみ与えられた権限である。ただ、自由に使えることはできない。
”高密度ポジトロンランチャー“
+の電荷を持った陽電子を高圧縮して放出する兵器
〜スキル〜
“明日への希望”
シャナンが持つ勇者のスキル
“威圧”
シャナンが持つ相手に恐怖を引き起こすスキル
“明日への絶望”
シャナンが持つ相手に絶望を引き起こすスキル
“恐慌発動”
相手を
”トンネル効果“
光の権能を持つ”アヤ“専用のエクストラスキル。マクロレベルでトンネル効果を発現させる。運動エネルギーによる攻撃を全て回避する。
”γ線放射“
γ線を放出する”アヤ“専用のエクストラスキル。致死量のγ線を前面に放出する。
〜魔法〜
“看破(ペネトレーション)”
相手の隠された能力や正体を見破る魔法
“分析(アナライズ)”
相手の能力を調べる魔法。意図的に隠された能力は調べられない。
“火焔(ファイア)”
火焔を放つ魔法。魔法触媒が無ければ効果は薄い。
“隠密(スニーク)”
気配を消し相手の注意を阻害する魔法
“回復(ヒール)”
身体の外傷を治す魔法。使われた相手は栄養不足のため空腹感を覚える。
“異物除去(クリアランス)”
体内に入った異物を取り除く魔法
“取引魔法(ディーリングマジック)”
自らの身体を掛け値にして相手に制約を仕掛ける誓約の魔法。強敵相手に用いる場合が殆どだが、稀に相手をいたぶるために使用する。
〜超越魔法〜
“忘却(オブリビオン)“
相手の記憶どころか思考力も破壊する魔法。食らった者は、廃人になる。
“闘気(オーラ)“
身体能力を劇的に上げる魔法。使用者は、ジャンボジェットすら片手で受け止める。使うと異様な程に疲労する。
“無効(インバリデーション)“
全ての魔法効果を無効にして、且つ強化魔法が効かない身体にする魔法
“死すべき運命(ブレインデッド)“
生命を化物に変える魔法。化物は命令に従い、生ある者を殺害する。殺害時に相手のクオリアを吸収してデータとして取り込む。取り込んだクオリアはビッグデータ化して管理される。
”生への帰還(モルグ)”
“
データが少ない場合に使用すると悲惨な結果を招く。
“説明できない(ファンタズム)”
認識阻害を引き起こす魔法。目に見えていても、相手はその事象が認識できず、何が起きても何もなかったと認識してしまう魔法
“本当の世界(イグジステンズ)“
ミームを操作する魔法。今まで当然と思っていた事柄含め、何もかもの常識を書き換える。例えば、殺人がよくないことであるという道徳的・法律的・経済的など殺人に関するあらゆる観点全てを書き換え、殺人が良いことであるとすり替えることも可能。過度に使用すると深刻なミーム汚染を引き起こす。
”超電磁結界(マグネター)“
半径1メートルに10の4乗MT(メガテスラ)の磁力を発生させる魔法。
名前の通り、マグネターレベルの磁力を発生させる。一般人がまともに喰らうと反磁性により細胞が死滅して死亡する。
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