四章 勇者失格

三章のあらすじ

 〜これまでのあらすじ〜

 脳吸いの戦いで疲弊したシャナンが眠る間に事態は急変し、フォレストダンジョンに魔族がいると判明した。


 シャナンが目覚めた時、王国側から第二騎馬隊長のカインが魔族討伐に派遣される。カインは貴族たちの思惑に憤慨し、王国の明日を憂う。その一方で、シャナンたちの実績づくりのため、一行を魔族討伐隊に推薦する。


 一方、脳吸いが死亡したことを知った魔族の十三と魔物のサディは状況把握のためにオカバコの街に潜入するが、ヒョンなことから“自身”の討伐隊に参加する羽目になってしまった。


 流されるまま事態を見守る十三は、ある事件をキッカケにシャナンに心惹かれてしまう。自身の感情に困惑を覚えて十三は苦悩する。


 〜登場人物〜

“勇者” シャナン

 召喚されし勇者の少女。心根が優しく争いごとがあまり好きではない。勇者特有のスキルを幾つか持つ。その殆どは少女の思いと反する凶悪さを持つ。十三たちを魔族討伐に推薦してしまう。


“第二騎馬隊長” カイン

 王国直属騎士団の第二騎馬隊長。魔族との戦闘経験も豊富で、フォレストダンジョンの魔族討伐の責任者に任命される。


“第二王子” アスラン

 王位継承権第二位の王子。優秀であるために第一王子派の貴族と裏で対立している。勇者“シャナン”による魔王討伐計画の責任者


 ”山羊頭の魔物” サディ

 頭より体を使うことを得意とする異常な筋力を持つ魔物。性根は優しい。


 ”名無しの” 十三

 魔王直系の魔族。他の兄たちに比べて通り名がないことを気にしている。自身の計画のためフォレストダンジョンで暗躍する。


 ”重戦士“ トーマス

 四人の供回りのリーダー格。理想に燃える若者。シャナンのためなら、その身を惜しまない。酒癖が悪い。


 ”魔法剣士“ ルディ

 地方の有力貴族の五男坊。父親の目を盗んで近くの村の子供たちとよく遊んでいた。その頃の名残か騎士道とは無縁な喧嘩殺法を用いる。魔法と剣を両方扱える万能な魔法剣士。


 ”弓使い“ セシル

 元冒険者の娘で地方の有力貴族の娘でもある。勝手に家を飛び出して父親を困らせた過去を持つ。四人の供回りの中で一番戦闘経験がある。


 ”魔法使い“ カタリナ

 元文官の魔法使い。炎の魔法以外に精神に異常を来す魔法も使用できる。世界の理への探究心が強く、下着のような防具を身につける。酒癖が悪い。


“脳吸い” ルサッルカ

 十三の計画のため、砦でゴブリン族や赤帽子レッドキャップの軍団を作ろうとしていた。覚醒したシャナンにいたぶられた挙句に惨殺される。


 ”組合長“ ジェガン

 冒険者組合の組合長。厳つい見た目とは裏腹に結構いい人。シャナンを気に入っている。十三たちを魔族討伐に参画させた一人


 ”組合の魔法使い“ サラ

 冒険者組合の魔法使いの一人。補助魔法が得意。真のクラスは上位十クラスの理知者(ワンダラー)。魔法を使ってムキムキになる。


 〜用語〜

“古砦”

 オカバコの街近くにある古い砦。ゴブリン族が巣食う。


“ゴブリン族”

 魔物の一種。古い砦や洞窟に潜み集団で人を襲う。


“オカバコの街”

 交通の要所で流通で栄えている街。近くに初心者向けのフォレストダンジョンがある。


“フォレストダンジョン”

 初心者向けのダンジョン


“勇者”

 異世界から召喚された強力な能力を持つ人間


“魔族”

 魔王の眷属。一族の仇には執念深く復讐する。


“魔物”

 魔族とは別種の生命体。人間に友好的な者もいるが、多くは魔族と同じく人間と敵対する。


“スキル”

 個人が持つ特性


 ”魔法“

 世界の理の力を使って放つ超常現象


 ”魔法触媒“

 魔法効果を増幅する道具


 〜スキル〜

 ”明日への希望“

 シャナンが持つ勇者のスキル


 “威圧”

 シャナンが持つ相手に恐怖を引き起こすスキル


 ”明日への絶望“

 シャナンが持つ相手に絶望を引き起こすスキル


 "恐慌発動"

 相手を恐慌パニックにさせるスキル。パニックにより、相手の思考を停止させる。


 〜魔法〜


 ”看破(ペネトレーション)“

 相手の隠された能力や正体を見破る魔法


 ”分析(アナライズ)“

 相手の能力を調べる魔法。意図的に隠された能力は調べられない。


 ”火焔(ファイア)“

 火焔を放つ魔法。魔法触媒が無ければ効果は薄い。


“隠密(スニーク)”

 気配を消し相手の注意を阻害する魔法


“回復(ヒール)”

 身体の外傷を治す魔法。使われた相手は栄養不足のため空腹感を覚える。


“異物除去(クリアランス)”

 体内に入った異物を取り除く魔法


“取引魔法(ディーリングマジック)”

 自らの身体を掛け値にして相手に制約を仕掛ける誓約の魔法。強敵相手に用いる場合が殆どだが、稀に相手をいたぶるために使用する。

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