神宮球場の思い出〜神宮はキミを待っていなかった。
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夏の甲子園が始まりました。そんな折り、2006年に書いたこんなものを転載します。けっこうショボい思い出です。
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夏の甲子園が終わって一雨ごとに秋…な気配になってきて、ちょっとさびしい今日このごろ。
とはいえ、プロ野球はこれからが熱いんだけど。
ある時、家族で、昔住んでいた東京の家を見に行くツアーを遂行したことがあって、野球好きな私たちは、夜は2日とも、私以外のGファンの家族は東京ドームへ、私だけが神宮球場へ横浜戦を見に行くという計画でした。
出発の何日も前に、地元のプレイガイドで神宮のチケットを2日分取り、意気揚々。
確かに、窓口の人が私を見る目が「モノ好きな人」って感じだったのは否めないが、そんなもん、初めての球場で大好きな選手を見られるうれしさで、少しも、いや、少ししか気になりませんでした。だいたい、そのプレイガイドはふだん使ってなくて、神宮のチケットが取れるところってことでイレギュラーに利用しただけだったので、一回限りでおさらば。窓口の人とも二度と会うこともないもんね、と思ってたし。
そして、満を持しての神宮デビューの日。
神宮に行けども、入れず。
つまり、その旅行は3日のうち2日がドシャ降りだったってことになるのだけど、その見事なハズレぶりときたら。
わざわざ地元で神宮のチケットを取って——しかも2日にわたって取って——、はるばるやって来て、2日とも雨で試合中止で、しかも同行者たちは屋根付き球場だったために予定通り観戦に行ってしまい、一人取り残され、二晩も一人であてもなく夜の街をウロつき、それもひどい雨とておもしろくも何ともなく、靴がビショビショになって中まで汚れたので翌日のために買い替えて、唯一晴れた最終日はここぞとばかり歩き回ったので新しい靴で靴ずれになって、帰りの飛行機を降りたら歩けず……。
ここまで来ると、むしろ笑える。
おまけに帰って来てから、あのプレイガイドに払い戻しに行かねばならない。
そして、行ってみたら窓口は同じ人だった。
「モノ好きが、はるばる神宮まで行って、そのあとチケット2枚とも払い戻しに来たぁっ!!(爆)」って、顔に書いてあった。
こんな仕打ちって、そうそうない気がする。
今、アメリカに行ってる日本選抜の高校球児たち。せっかく観戦できることになったヤンキースの試合が雨で中止だったとか。でも、この3年近くにわたる部活生活&甲子園出場&アメリカ行きという濃い経験の中では、ヤンキースの試合が中止になったからって私の神宮受難ほどのダメージはないんだろうなぁ。
っていうか、これ、神宮球場の思い出、じゃなくて、「神宮球場の入り口までしか行けなかった」思い出だ。。。
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