空の向こうに

@shin0714

第1話 携帯の向こうに

Aさんから友達申請が届きました。

Cさんからメッセージが届きました。

Nさんから友達申請が届きました…。他30件の新着通知があります…。

今、これを読んでるあなたも見たことがあるのではないでしょうか…?

こんなありふれた平成の日常から始まる恋をそのときは俺はまだ知らなかった…。

その前に。。俺のことを少しだけ…気づけば元カノにフラれて半年以上経つ。15歳になる前から一緒に居た元カノだ。ただ少しのすれ違い。いや、少しだと思っているのは俺だけなのかもしれない…。向こうは我慢の限界だったのかもしれないな。俺も精一杯頑張ってきたつもりだった。しかし、来るべき時は来たという感じで別れを切り出された。お互い、別々に生きる。そう決めた。

長い年月居たからなのだろうか…。そう簡単には居なくなった隙間を埋めることなんて出来なかった。半年間、仕事が終わった元カノにご飯を作って待ってた自分が嫌いだった。

来る頃には俺は寝てる。明日も早い。しかし頑張ってるあいつを応援したかった。中途半端だと分かっていながらご飯を作る俺は自分が大嫌い。

あいつと付き合う前。15になる前の俺は今の俺を見てなんて言うんだろう。そんなことも考える年になったんだな…

今まで俺は人と付き合うということが人生では2回しかなかった。あ、この物語で出てくるヒロインまみは3人目になると俺は信じている…

今の現段階では正直不安だ。告白までにMの気が変わらないのか。ほんとに俺を選んでくれるのか。

まみとの出会い、そして俺自身がこの恋を忘れない為にこの物語を書こうと決めたんだ…。

22歳。01月22日。元カノと別れて半年。友達申請が溜まっている。。もう高校に入る前に始めたこのSMSも気づけば友達3600人。SMSの怖さも知らなかった俺は通知が着てLEDが光り充電が減るのが嫌という理由で友達申請を100%承認していた。元カノが嫌がってアプリをアンインストールしていたが、別れたことでまたインストールしていた。そして再インストールして3ヶ月経った頃だろうか…メッセも友達申請も気づけば10件以上。多ければ50件以上貯まっていた。しかも携帯を触っていない何時間かの間で…。暇潰し。そんな動機で再インストールしたんだから正直言ってめんどくさい。顔も見ずに承認と削除を繰り返していた。

それが俺の寂しさを埋めてくれてる気がしてたんだ…。かわいい子でも居れば…。なんて思ってもそんな現実は甘くないって分かってしまっていた…。

もうSMSに期待も持ってない。顔すら見ないでいつもの如く友達申請を承認と削除を繰り返す。

そしてメッセージを見る。今日もメッセージはたくさん着てる。しかしかわいい女だと思った子からの内容は副業しませんか?など業者ばっかり。ほんとに嫌になる。そういうのは既読スルー。また着てるんだ…。かわいい顔を使った業者…。あとはよく分からない出会い㊥?(今の流行りでは何て言うのかも分からなくなっちゃった。わら)SMSの写真すら信じられなくなる。疑心暗鬼だ。これは詐欺だとか業者だとか…。わら

そして、触らなくなった。あのSMSを消そうと思った。それが01月22日。100件以上貯まった友達申請。メッセも50件以上ある。一通り見てみる…。最初は2度見した。約8年居た元カノの前に付き合ってた元カノかと思った。中学の時付き合ってたA。俺と別れ今は結婚して子供が居るはず。このAは中学の時、横の学校の子だった。同じ中学の子にいたずらをされたらしく(これは後から聞いた話)いきなり俺にはもっといい人が居ると謎の別れを告げられて別れた。そのAから申請が来たのかと本当に思った…。後々、この話をまみにして怒られるんだが…わら

もちろん、好きだった子に似てるんだ。タイプだ。わら

友達申請承認。(もちろん)

基本、俺はメッセージを自分からすることはなかった。待つこともなかったんだけど…。ただ、会ったことも見たこともないが携帯の画面に写るトプ画のまみに一目惚れだった。

ほんとにあの時友達申請をしてくれてありがとう。

それから何時間かして暇になった俺はメッセージを開いた。まみからきてる。

友達承認ありがとうございます(>_<)

たった、こんだけ。普通の挨拶のような文ですら俺は嬉しかった。もちろんすぐ返す。

こちらこそ!よろしくお願いします!

どこに住んでいるんですか?そんなぎこちない会話から始まったんだけど返信が来るか不安だったから何度も読み返した。おかげでこれを書いてる5月28日。現在もある程度会話の内容を覚えてる…わら

そして1月22日に知ったこと。まみには旦那と子供が居ること。まみは子供がお腹に居るときに旦那にひどい暴力を受けたこと。それでも結婚したのはお父さんがガンで亡くなる前に子供を見せてあげたかったというまみの後悔。そして、母親に心配をかけたくなくて暴力のことは黙っているということ。そして。俺たちは日本の端と端に居るということ。

1月22日の夕方。まみに綺麗とも伝えられたし、旦那と子供も居るみたいなのに1日中メッセージしてくれたまみに感謝してた俺は、喧嘩の種になりたくなくて…。

ほんとはLINE聞きたいけど、やめとくね☺️と伝えた。嫌だった…。

それはメッセージしだした朝にも伝えたことだった。朝は、その方が助かる。ありがとうって言ってたまみが初めて言った。実は旦那は出張に行ってて自分は実家に居ること。そして、まみもLINE交換したいと思ってくれていたらしいが言い出せなかったということ。

初めて、LINEをしたとき凄く嬉しかったのを今でも覚えてる。メッセからLINEになっただけで凄く距離が近くなった気がするねってお互い言い合ったこと覚えてくれてるかな…わら

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