第3話

『鬼ヶ島 花音』という女


ー花音目線ー


私の名は『鬼ヶ島 花音』。


元、『国守護者』という国の裏側からこの国を支え、守る為の組織の戦闘部隊『鬼狩り』に所属していた戦闘員だった女だ。


私の家は代々『国守護者』を支えてきた一族だ。


私の能力名『オール・エクスカリバー』。


能力は私が手に持った物は名剣のように全てを切り裂き、聖剣や魔剣のように特殊な能力を付属する事が出来る。


そんな能力があり、さらに私は戦闘の才能が人よりあった為、10歳で戦闘員として敵を斬り殺し、物を切り裂き破壊してきた。


何度も国の害になるとされる人を国の命令で斬り殺してきた。


何度も国の害になるとされる兵器を壊してきた。


人の命なんかどうでもいいと思うくらい人を斬り殺し、物がどうなっても構わないと思うくらい壊してきた。


何度も何度も何度も何度も。


何度も繰り返し人を斬り殺し、何度も繰り返し物を壊してきた。


そんなある時、国の命令で私はある汚職のある政治家の暗殺命令が下った。


その汚職のある政治家は国に害のある組織との繋がりがあり、さらに人を攫ったり、人を売買し、奴隷として扱っていた人物だった。


その汚職のある政治家を暗殺し、奴隷を解放する時に私は『鉄也』と出会った。


鉄也は奴隷になる前の記憶がなかった。


私は鉄也に『行く場所が無いなら付いて来い』と言ってやった。


その時は気まぐれだった。


鉄也を引き取った後、鉄也の過去について調べてみた。


鉄也の実の両親は他界していた。


そしてタチの悪い親戚に売り飛ばされたようだった。


しばらく一緒に生活したら里親を探してやるつもりだった。


しかし、一緒に生活している内に、アイツが字が読めない事に気付いて仕方なく勉強を教えてやって、ついでに多少は武術が使えた方がいいと思い、剣術と体術を教えてやった。


そして私の仕事を手伝うようになっていった。


私はアイツが私に褒められて笑ったり、アイツがドラマの胸糞悪いシーンを怒ったり、ドラマの悲しいシーンを観て泣いてたり、一緒に出掛け楽しんでいる姿などを見ていく内に私はアイツとの生活が楽しくなっていた。


アイツの行動が愛おしいと思っていた。


アイツと一緒にいたいと思っていた。


アイツは戦闘の才能は私以上にあった。


私が傭兵としてとある戦場に派遣された時、アイツは私に付いてきて、敵に囲まれた時、32人を素手で殴り殺してみせた。


そしてアイツが能力を持っている事が判明して正式に私がいる部隊に所属された。


アイツの能力は銀色のコートが現れ、それを身にまとうと、ありとあらゆる攻撃をありとあらゆる方法で身を守るという守りの能力だ。


アイツは私の見てない所で私の上司に仕事を押し付けられ、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返し戦わされていた。


私はアイツが傷だらけで満身創痍になるまで気付いてやれなかった。


アイツの能力の守りは絶対ではなかった。


アイツの能力は疲労を蓄積し過ぎると守りが脆くなるようだった。


アイツは『大丈夫。ちょっとヘマしただけですし、怪我はすぐに治りますから平気です。』と自分の体は満身創痍なのに私に笑顔で言ってきた。


私は私の上司を許せなかった。


上司は仕事をせず、ヘラヘラ笑い鉄也に危険な仕事を押し付け平然としている事が許せなかった。


鉄也は何度も何度も国の救う為に働いたのにその評価は組織内ではされず、満身創痍の鉄也にさらに危険な仕事を押し付ける上司が許せなかった。


だから私は上司のさらに上司に鉄也にやった仕打ちを告発して私は鉄也を連れて脱退した。


その後、上司は降格させられたらしい。


そして、私と鉄也はただの民間市民になった。


私の親は私が『国守護者』を脱退した事に激怒して破門したが私は気にしていない。


地位や名誉なんかより私は鉄也の方が大切だからな。


ー花音目線終了ー

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