第2話
自分のクラスである1年7組のホームルームが終わり、俺は急いで校舎裏に向かう。廊下を走ると怒られるので、早歩きで。
ただ、急ごうとするが足がうまく回らない。
その答えは多分、このあとに控えている大きなイベントのせいだろう。
外では、やかましく蝉が鳴いていて、まるで急かされているようだ。
急かされるように校舎裏に到着したが、俺の目的の人は居なかった。
強い陽射しがキツかったので、俺は木陰に避難した。
校舎裏に着いてから、十分くらい後に、俺の目的の人である彼女がきた。
彼女の名前は井上朱里。
夏風に吹かれる、少し茶色味がかった黒髪。
背はあまり高くないのに、細身な外見からは想像できない程、大きな胸(推定,Fカップ:同じクラスの男子の特殊能力により判明)
笑うと少し出る八重歯がまた、可愛らしい。
まるでリスなどの、愛玩動物のようだ。
クラスではムードメーカー的な存在で、男女問わず、人気が高い。
そんな完璧と呼ぶに相応しい、彼女。もとい、井上は
少し戸惑った表情をしていた。
「………………」
「………………」
「……何か用かな?飯島くん。」
緊張して喋れなくなっている俺に気を使ったのか、井上が先に話し掛けてくれた。
「えっと、、用って訳でもないんだが、少し伝えたいことがあって。」まるで早鐘のように心臓が鼓動を打つ。
背中には嫌な汗をじっとりかいている。
俺はなけなしの勇気を振り絞り、
「お、俺とつ、付き合ってください!!」
若干噛みながらも、自分の想いを伝える。
上半身を九十度に曲げ、手を差し出す。
「………………」
少しの沈黙の後、井上が手を握ってくれた。
その瞬間、俺は今までで1番の幸福を感じ……
「2番目だけどいい?」
俺、「へっ?」
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