白いけもの

感じない?ねえ感じない?

ありがとうって僕の囁き

いつもありがとうって

感じてくれてるかな


ひとりぼっちの僕の

背中につきささる好奇の視線

僕は檻の中にとじこめられた

真っ白い生き物

人を信じることを知らない

真っ白い生き物


でも君は僕を見つめていた

いままでみたこともない

感じたことも無い

淡い光の視線

僕を透かして通り過ぎた

僕をまぶしく染めた

だけど君は毎日

僕のそばに来たわけじゃない

最初は気まぐれ

哀れな僕への同情と勘ぐった

そんなぼくだった

きみはぼくをからかってた?

僕は毎日好奇の目に

さらされてひとの

こころの冷たさを知り

憎み恨んだ

ぼくのからだは変色する一方で

君の瞳に何かを感じた


僕は自分を恥じた

だって君の笑顔に背を向ける度

真っ白だったぼくの

からだがかわってく


やっとわかったんだ

君を信じていいんだね

信じさせておくれ


感じない?ねえ感じない?

ありがとうって僕の囁き

いつもありがとうって

聞こえているかな


もう君の気まぐれには動じない

君のいたずらごころも許すよ

僕は君を信じることで

もう一度元の僕に戻る

人に尽くすことを

馬鹿にされたって恐れない

代償はこれなんだね


もうすぐ僕らはお別れだけど

僕は君からたくさんのこと学んだ

君のやさしさ

君の気まぐれ

君を信じていいこと

感じてくれたろう

ぼくの気持ち

もう一人ぼっちじゃない


s610320



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る