君を救う1ヶ月
月夜野
第1話 出会い
とある夕暮れ、会社から少し速めに帰らせてもらえた20
新社会人となった身である僕は、現実というものを大人になってみせられかなり精神的にも体力的にも疲れていた。
選んだ会社が超ホワイトだったこともあり若いうちでも速めに帰らせてもらえるのが不幸中の幸いだろう。
速く帰って横になりたい思いながらカラスの鳴き声と足音が聞こえるなか歩いていた。
そんな時だった。
急にスマホが鳴る。会社からの電話だった。普段は業務中以外は連絡などないのにどうしたのだろう。
「はい、矢田ですが。どうかいたしましたか?」
「おぉ、矢田か。申し訳ないんだがもう一回会社に来てくれないか。他の奴らはまだ仕事で手が離せないし一番会社から家が近いのはお前だろ。だからすまんが会社に戻ってきてくれ」
「分かりました、すぐ戻ります」
断るわけにもいかず結局引き受けてしまったが、内心すごくテンションが下がっていた。
とにかく会社に戻ろうとさっき来た道を戻っていった。
会社につくと社内が騒がしかった。どうやら屋上に何かがあるらしい。
僕を見つけた
「来てくれたか。良かった。取り敢えず屋上に来てくれ。話はそれからだ。」
「え、あのどういうことですか!」
わけも分からず腕を引っ張られ屋上に着くとたくさんの人が屋上を覗きこんでいた。
「いいか、屋上に女性がいる。どうやって入ったのか分からないが、どうやら飛び降りようとしているらしい。だから止めてきてくれ。」
「ちょっと待ってください!何故僕なんですか!?」
「若いうちの方が話が合うだろう。それに、これはこの会社にも関わる問題なんだ。もし飛び降りたらえらいことになる。だからお願いだ!」
深々と長原さんに頭を下げられる。流石にそこまでされてできないと言う勇気は僕にはない。
仕方なく僕は屋上に出た。
そして、女性が振り返ったのだった。
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