どっかの誰かが叫んでら。

インチキチキン

吸う

「あんた、宿題はやったの!?」

母の怒号が響く。

いつもの光景だ。

なんてことない、いつもの一日だ。

宿題?そりゃあちゃんとやるよ。やる気はあった。

僕だって、やろうと思えばできる。ただ、やろうとした矢先に言われたからやる気が失せただけだ。

「うるせーなー、わかってるよ。」

面倒くさそうに返事をしながら、手元のゲームに目線を向けていた。

「そんなものばっかりやってないで、とっとと宿題やりな!」

そう言うと、僕のゲームを奪っては、どこかに持って行ってしまった。

あーあ、もう少しでクリアできたのに。


時々世界がゲームみたいにならないかな、と思う。

人と話す時にはコマンドから選びたいし、嫌な奴と会った時にもその戦闘から逃げたいし、何よりリセットできるのが優れものだ。

そう、リセット。

ゲームにはできて、現実には絶対できないもの。

羨ましい。

ゲームしか取り柄のない僕にとっては、喉から手が出る程だ。

何でこんなふうになっちまったんだろう。

どうすればもっと今よりも良くなれるかな。

いつまで経ってもわからない自問自答を繰り返すうち、1つの結論に導いた。

いっそ、もう一度初めからやり直せばいいんじゃん。

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