あの頃読んでいた物たち

『はたらく魔王さま！』

　魔王で思い出したのが、『はたらく魔王さま！』著：和ヶ原聡司である。

　正義感と負けん気が人一倍強い高校生の渋谷有利はある日、不良に絡まれていた中学時代の同級生、村田健を助けようとしたが返り討ちにあい、公衆トイレの便器に顔を突っ込まれると異世界に流され、超絶美形のフォンクライスト卿ギュンターから自分が特別な魂を持ち、「眞魔国」の魔王として人間と戦わなければならないことを告げられ、文化や価値観の違いに戸惑いながら新米魔王としての成長を描いた『今日から㋮王！』について、あーでもないこーでもないとフォンビーレフェルト卿ヴォルフラムの可愛さを熱く、熱く語り合う物語……ではない。

　魔王サタンは勇者エミリア率いる反抗軍に敗れ、やむなく側近アルシエルと共に異世界「日本」へ落ち延びる。魔法は存在せず、やむなく東京渋谷区笹塚のアパートでサタンは「真奥貞夫」に、アルシエルは「芦屋四郎」と名を変え、まずは幡ヶ谷駅前のファーストフード店でアルバイトに励み、フリーターから正社員になることを目標と定めた。魔王を追って日本にきた勇者エミリアも能力が発揮できず、やむなく一般人「遊佐恵美」としてテレホンアポインターとして働く。そんな彼女彼らの庶民派ファンタジーである。

　いわゆる、逆・異世界転移作品。

　このころは、異世界転生もの、なろう系の走りで、異世界転生もののアニメはまだ少なかった気がする。

　元々著者のWEBサイトで連載されていたオンライン小説があり、のちに電撃小説大賞銀賞を受賞後、校正を経て刊行された本作。

　とはいえ、作品を知ったのはアニメ化の記事から。

　アニメがおもしろかったので、ようやく書籍に手を出したという具合だった。

　長い話の中で、アニメ化されたのは二巻ほどの内容。

　本作の面白さは、日本で魔王と勇者がなんだかんだとワイワイ騒いでいるところかと思う。

　アニメの二期が発表されている。

　いつになるか知りませんけれども、楽しみにしている。