あの頃読んでいた物たち
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心の本棚があるのなら
『今日をけとばせ―島物語2』 【書き直し】
最初に紹介する本は、「今日をけとばせ―島物語2」著:灰谷健次郎である。
なぜ「はだしで走れ―島物語1」ではなく、「きみから飛び出せ―島物語3」でもなければ「ほほ笑みへかけのぼれ―島物語4」「とべ明日へ―島物語5」でもなかったのか。
答えは単純。
買い与えられたのが『2』だったからである。
この本で灰谷健次郎を知った。
とにかく、最初に読んだ本がこの作品。
なぜこの本だったのかというと、読書感想文を書くためだったからに他ならない。
島に移住した小学校四年生の健太が、島の人々や自然の中で暮らすうちに、たくましく元気な男の子に成長していく。そんな話だ。
山芋掘りをして、掘ったあとを埋め戻すという下りが印象に残っている。
当時、主人公の健太になりたいと言っていた気がする。
読むと、作品に影響されやすい性格だった。
そういえば、先生が朝の会や帰りの会で灰谷健次郎の「兎の眼」を朗読してくれたことがあった。
のちに大人になってから、兎の眼を購入して読み、他の灰谷健次郎作品を読み耽ることになる。なので、島物語は2だけで終わらず、1から5まで読み通している。当時は続きがあることを知らなかったので、読み進めていくと「こういう話だったのか、なるほどね」と納得していった。
児童文学なので、平易でさり気なく書かれている。
ゆえに読みやすく、話に入っていきやすい。
しかも描いてあるのは、子供の姿。
けっして純粋無垢の天使な存在ではない。
可愛い顔して大人をどきりとさせることを考え、行動する姿だ。
気づけば引き込まれ、灰谷健次郎という作品に魅了されていた。
一番の理想の文体だ。
ちなみに、「島物語」で読書感想文は書かなかった。
書けなかった、というのが正しい。
読んで面白かったのだけれども、いざ書くとなったとき、なにも書けなかった。
いまなら書けるかもしれない。
だが、子供だった当時のわたしでは手に余ったのだ。
なので、他の作品を図書館から借り直した。
選んだのは、エジソンの伝記。
それで賞をいただいたおぼえがある。
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