ディファレント・ワールド

Katu

第1話鳩にガンキャノン砲

「僕はね、物語は最初で全てが決まると思うんだ。

たとえ歴史に残る超大作でも、始まりが壊滅的に面白くないなら

誰だってページを捲る手を止めるだろう?」


持論を捲し立てる青年の周りには、一人を除いて何も無かった。

文字通りに、”何も”

見渡す限り白い世界が広がっている。青年の目の前にいる俺自身を除けば



「そのことを踏まえて、簡潔に完結を述べよう。

この物語の結末は、完璧にバットエンド”だった”」

「……なんで過去形で表したのかって?

そりゃあ……キミが変えるんだろ?」

「 ……鳩が豆鉄砲喰らったような顔って、実際に見ると滑稽だね。」



「覚悟は決めたかい?」

「これから先は振り返ることも、立ち止まることも許されない。

ただ、前に突き進むだけだ。」

「……礼はいいよ。僕は何もしてないし」

光が少年を包む。それと同時に白い世界にヒビが入る

まるでガラスが割れるように、世界は割れていく。

「さぁ!最高のエンディングを見せてくれ!」

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ディファレント・ワールド Katu @lapis_17

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