奇病は神からの授かりもの。

第1話 蘭の奇病

私、水野 蘭(みずの らん)は

1つのこと以外は

普通の高校1年生の女の子!!


その、1つのことって言うのはね。

私、病気を持ってるの。

詳しくは、奇病って言うんだけどね。

私が、奇病を持ってると知ったのは、

中学1年生の時。寒い日だった。


蘭「寒いぃ。」


友達1「寒いねぇ。」


蘭「佳子〜夏にしてぇえ。」


佳子「はっはっは、しょうがないなぁ。」


佳子「って。無理に決まっとるやろ!!」


この子は、佳子(かこ)小学校からの付き合いで、ずっと仲良しなんだ。


蘭「あははっ。佳子ノリいい〜!!」


佳子「てか、蘭めっちゃ顔白いよ。

もしかして体調わるい?」


蘭「うん。実はちょっとしんどくて。」


佳子「大丈夫??保健室行こ?」


蘭「大丈夫。大丈夫。心配しないで。」


佳子「そう?無理せんでや?」


蘭「うん!」


その日は、朝から体調が悪かったけど、

少し無理をして学校に行っていた。


倖青「蘭!大丈夫か?なんか

フラフラしてるけど。」


蘭「平気!平気!」


この人は倖青(こうせい)。倖青は、幼馴染で、実は彼氏なんだ!


倖青「ホントに大丈夫か?」


(あれっ?体に力入んない……)


倖青「お前は、すぐ無理するからなぁ。

って。おい!!」




佳子「蘭!蘭!聞こえる?

私だよ!佳子だよ!」


蘭「か…佳子?」


佳子「蘭!!そうだよ!佳子だよ!

大丈夫?急に倒れたみたいで、

びっくりしたよぉ。」


倖青「大丈夫か?先生に言っといたから

もう、帰っていいって。」


蘭「ありがとう。じゃあ、

早退させて貰うね。」


佳子「気おつけてよぉ。私たちまだ

授業あるから、送ってけないんだ。」


蘭「大丈夫!ありがとう!

倖青!佳子!」





……家に帰って来て着替えていると。

私は唖然とした。


蘭「何……これ…。」


鏡を、見てゾッとした。


蘭「……羽?」


蘭の背中には鳥の羽のような物が、

ついていたのだ。


蘭「お…お母さん!!

お父さん!!」


(ダッダッダッ)


母「どうしたの!?」


父「何があった!?」


お父さんとお母さんの目線が

すぐ私の、背中に向いた。


父「なんだそれ。おもちゃか?

何してる?外しなさい。」


蘭「違う…おもちゃじゃないの。

助けて……」


父「…嘘だろう?冗談はよせよ。

今日は、エイプリルフールか? 」


お父さんも。お母さんも、

信じられないような顔をしてた。


母「ホントなの?」


蘭「…うん。」


母「触って大丈夫?」


蘭「大丈夫。信じてくれるなら。」


お母さんと、お父さんは、そっと私についてる羽に触った。


父「…ほ、本物だ。」


母「どういう事…。蘭…?」


母・父は、信じられないような目で

私を見ていた。


蘭「わかんないの。

私。どうすればいい?」


母「ひとまず病院にいきましょ。」


父「はっ?どう、説明するんだ!?」


母「わからない。でも、

見てもらったら何かわかるかも。」


父「それもそうだな。」


私は、背中の羽を隠すようにして

病院に行った……


??「今日は、どうなされましたか?」


母「実は…蘭、背中を見せて。」


蘭「うん…」


??「背中。ですか?」


蘭はそっと背中を見せた。

先生は、目を丸くしてこっちを見た。


??「…なんですか!?これ!」


母「実は、学校から、早退してきて。

帰ってきて見たら。こんな事に

なっていたそうなんです。」


??「…そうなんですか。

あっ、すみません。

私は南 優斗と申します。」


母「あっ。はい。

あの、娘は、病気なのでしょうか。」


母は、手を震わせながら、

先生をじっとみた。


南先生「お母さま。蘭ちゃんは、

奇病かと、思われます。」


母「き…奇病?それは何なのですか?」


南先生 「はい。この世界には 2人の

奇病を持った子が存在しています」


「この世に存在するはずのない

病気などが、奇病です。」


母「ら…蘭は、

なんという奇病なのですか?」


南先生「蘭ちゃんのような症状は、

初めて見たので

名前は、ありません。」


母「蘭は、どうすればいいのでしょうか」


南先生「こちらで、色々調べてみたいと

思いますので、蘭ちゃんを

少しお借りしていいでしょうか?」


母「お願いします。亡くなる確率は

あるんですか?」


南先生「はい。奇病は、かかると。

どんな症状でも。5年以内に

亡くなると言われています。」


母「そ…そんな!!」


頭が真っ白になった。そこからは、よく覚えていない。色々検査を受け。

2日後に病名を告げられた。


南先生「蘭ちゃんは、天使病と言う

病気です。寿命は早くて3年

長くて5年ほどでしょう。」


【寿命】この言葉を聞いて

私は、もう。この世界にいる気がしたかった


母「治る確率はあるんでしょうか?」


南先生「少ないでしょう。

延命は少なくとも出来ます。 」




「希望されますか?」





蘭「まだ、佳子、倖青、

みんなに伝えてないことや、

やりのこしたことが、

いっぱいある。」



「延命を希望します。」



それから私、水野 蘭の

辛い日々が始まった。




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奇病は神からの授かりもの。 @itomakiko

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