愛の無知
流血を伴うような体罰は経験が無いが、その一歩手前なら幾つか。
比較的楽なところで言えば正座だろう。これには段階があり、両手を上げたままにしてみたり、脹脛と太腿の間にバットを挟んでみたり、よくもまあこんな拷問が思いつくものだと呆れる。こんなものを代々受け継いで何になる。
水を飲んではいけない、というのもあった。これは面と向かって言われたものではなく、いわゆる「場の空気」というもので、文句を付けるという発想からして無かったのだ。一度だけ、本当に我慢が出来なくて、トイレに行き、手洗いの水を手で掬ってがぶがぶ飲んだ。鉄臭くて、嫌な匂いが漂っていたが、あんなに水が美味かったことはない。
今思い出したが、飛び蹴りをされたこともある。これは完全に私が悪かったので、弁解の余地は無い。無いのだが、飛び蹴りである必要はあったのだろうか。平手打ちか拳骨では駄目だったのか。
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