吐溜

桃色

気分上々


ジリジリと葉月の太陽の視線が刺さって痛い。

何が恥ずかしいのか私の肌からは涙が止まらなかった。


特に何をするでも無くここで待って

気付けば影は真下に来ていた。


まあ、あれよ。


所謂 ドタキャン ってやつ。


と言ってもまあもともと約束らしい約束はしてなかったんだけど。


「行けたら行く」ってやつよね。

正直来ないことは分かってた。


ただほら、好きな人とのデートって

旅行の前日とかと同じだと思うけど

準備してから待ち合わせまでの時間のこのドキドキは特別じゃない。

それを味わいたかったのよね。


わざわざ期待させるようなこと言ったって

所詮約束は守られないことの方が多いって分かってるんだから意味ないのに。


怒ってなんかないわよ。


…まあ、ちまちまヘイトでも溜めて

あと10年くらいしたら呪い殺してやろうとは思うけどね。


だって来て欲しかったのか、来て欲しくなかったのか、自分でもわからないもの。

ただこの待ち時間一度も彼に連絡を入れなかったのは

きっと嫌いになりたかったからだろう。

相変わらず自分は要領が悪いというか

回りくどい人間だなあと熟思う。


勝手に悪者にされるあの人が可哀想って

思ったでしょ。今。

うん。まあ、ごもっともね。


まあでも所詮異性と関われば結局はどちらかが悪者になってしまう世界だから

仕方ないんじゃない?


私に感情がなくなって仕舞えばいいのになあなんて思うよ。


どうしても生きるのが下手くそだからこうして浮かんだ言葉も全部太陽に溶かしてもらうしかないの。



あ。


なんかあの女の子達私のこと見てる。

2時間前くらいにすれ違って向かいのファミレスに入ってった子達だわ。

待ちぼうけ可哀想〜とか言われてるのかな。

ふふん。

少しいい気分。


もうちょっとしたらあの太陽でも殴って帰ろう。



そして今日はたくさん泣いてやろう。



少しでも好きを減らせたなら

万々歳。




さようなら世界

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